「灯台下暗し」と「ミスディレクション」近寄り過ぎると見えなくなる

「灯台下暗し」の灯台とは海にある灯台ではなく蝋燭などを立てる燭台のこと

みなさんはこんな経験があるでしょうか?

「眼鏡が見当たらずに必死に探していると眼鏡を掛けていた」他には「携帯電話で話をしながら携帯電話が見当たらずに慌ててしまう」など人とはおっちょこちょいなものです。

リモコンを握りしめながらリモコンを探した人も目的地を目の前にして素通りしてしまう人もいることでしょう。

人は意外と何かを探すのが苦手な生き物なのでしょう。
物を探すのが上手だという人もいるでしょうがあなたはこんな言葉を知っていますか?

「灯台下暗し(とうだいもとくらし)」

この言葉は「人は身近なことには案外気がつかないものだ」という意味のことわざです。

意外と勘違いされているのはここに出てくる灯台が明かりをとるためにろうそくなどを立てる燭台のことではなく岬や港にある灯台だと思われることです。

周囲を照らしてくれる燭台の明かりも下の方は光が照らせず暗いということから「灯台下暗し」と言われます。
ですが海にある灯台も遠くの船舶などに光を届けるためにずっと先まで照らしますがその根元は光がなく暗いです。

この事から「灯台」という文字から海にある灯台をイメージする人が多かったのでしょう。

さて、それでは今回は「身近なことには案外気がつかない」ということからマジックなどに使われる「ミスディレクション」についてお話しようと思います。

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見ようとすれば見えなくなるミスディレクションとあなたを導くディレクション

人は完璧ではありません。完璧でないからこそ不注意で周囲に起こることを見落としてしまいます。
心理学の世界ではこの不注意による見落としを「ミスディレクション」と呼びます。

みなさんも一度は聞いたことがあるかもしれません。
このミスディレクションは何も心理学の中だけで使われる言葉ではありません。

ミスディレクションは奇術つまりマジックの世界でも使われます。
マジックにはタネがつきものです。それこそがマジックの核だと言って良いでしょう。
タネを知られることはマジシャンにとっては致命的です。
そのためマジシャンはある技法を使うのです。

それが「ミスディレクション」です。

しかしこのミスディレクションは心理学でいうところの「不注意な見落とし」とはちょっと意味合いが違います。
マジシャンが使うミスディレクションは「観客の注意をそらす」という意味を持ちます。

言うなら「観客に対して不注意による見落としをさせる」というところでしょうか。

注意をそらし観客の視線を核心からそらすのです。
その技法は鮮やかなものです。現に一流のマジシャンのタネを見破れないのもそのためです。

さて、ミスディレクションは英語なのですがそのスペルはmisdirectionと書きます。

「誤る」という意味合いのmisと「方向、方角」の他に「導き、指導」という意味を持つdirectionからなる言葉です。

つまりミスディレクションは「誤った方角」や「誤った導き、誘導」という意味を持っているのですね。

手本や教訓、教義や標識など人は必ずと言って良い程何かを道標にして生きています。

そこから自分の考え方や生き方を見付けていく人もいることでしょう。あなたもその一人かもしれません。

しかしその道は本当にあなたが求める道ですか?

いつしかあなたもミスディレクションに掛かっているということはないでしょうか。
自分で決めた道なのだから誤ってないはずだと考えるかもしれません。

しかしミスディレクションにはとても重要なポイントが2つあります。

それはあなたが核心に触れないように注意をそらしているということです。
つまりあなたが触れたのはあなたが核心だと思い込んでいるものかもしれないのです。

そしてもうひとつは「見ようとすればするほど見えなくなる」ということです。
あなたが惑わされないように注意深く観察すればするほど誤った誘導により核心からどんどんと離されていってしまうのです。

そう、近付けば近付くほど見えなくなる。

「あなた」が一番近くにいる「あなた」には「あなた」が見えなくなっているのかもしれません。

あなた自身のミスディレクションによって。

それでは今夜はこのあたりで。

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