ツタンカーメンのナイフが隕石から作られていた

ツタンカーメンの愛用していたナイフが隕石から作られていたという話を聞きました。

ツタンカーメンとともにピラミッドに納められていたナイフの成分分析をしたところその当時エジプトに落ちたであろう隕石と含まれている非鉄金属の割合が同じだったということです。長い年月の中でもほとんど錆びることがなく当時の形を保ったままだそうです。

ということで今夜は空から来る破壊と繁栄の贈り物隕石についてお話しようと思います。

不純物というロットナンバー

ちょっと話がそれますが金属の成分が同じだからと言って隕石をつかったとは言えないんじゃないかと思うでしょうが実はこの成分の割合で同じものだと判断する方法はかなり信頼が高いです。

製鉄など金属を精製する際には必ず不純物が混じります。純度100パーセントでない限り必ずです。

つまり同じ炉内で精製されたものなら金属に含まれている不純物の割合が同じになるのです。

そしてその割合は精製環境や精製方法によって変化し同じも割合のものは出来ないと言われています。言わばこの不純物こそが金属が出来上がる時のロットナンバーのようなものなのです。

さて、話を戻しましょう。そもそも隕石とはなんなのでしょう。簡単に言えば宇宙空間にあった固形物が地球に降ってくるもののことです。

漂っているうちに地球の重力圏に入り引き寄せられたものもあれば何かの衝撃で飛ばされている直線上に地球がある場合もあるかもしれません。

隕石の成分は石と金属がほとんどで地球の大気圏に入ると燃えて小さくなったり燃え尽きてなくなってしまいます。

その燃えカスが地球にたどり着くのですがかなり高温で燃えていたために表面は溶けたようになっています。

ちなみに落ちる途中で燃えているのが俗に言う流れ星なんです。

隕石から得る力と書くと不思議な力だと思うかもしれませんが違います。

実は隕石の中にもほとんどが金属で出来ているものがあります。その隕石から採取した金属を隕鉄と呼びますが冒頭でお話ししたツタンカーメンのナイフのように隕鉄を使い作られた武器は世界各地にあります。

もちろん日本にも存在します。明治時代に作られた隕鉄を使い作られた日本刀。

その名も流星刀です。隕鉄を鍛え作られた流星刀ですが実際に使用されたか定かではありませんが作られた４振りの内２振りは当時の天皇に献上されたそうです。

お話ししたように隕石から得られる金属は石器を超える力を人々に与えました。

しかし考えてみてくださいあんな塊がはるか上空から高速で降ってくるのです。直撃しないにしろ何かしらの影響はあるでしょう。かつて地球上を支配していた恐竜は隕石が原因で滅んだという説があります。そして地球上には今でもクレーターという形で隕石の傷痕が残されています。

ですが宇宙から来る隕石はまだ地球上にはない未知の金属や未知の成分が含まれているかもしれません。

それが繁栄に繋がるのはどうかはわかりませんが良い贈り物であることを祈ります。

それでは今夜はこのあたりで。