「桃」の花言葉に込められた不老長寿と邪気を祓う力

桃の花言葉と秘められた力

日本には四季があります。そしてそれぞれの四季には季節を代表する花があります。
春と言えば皆さんが一番に思い浮かべるのは桜の花でしょうか。ですが春を代表するのは桜だけではありません。梅の花もそうですが今回お話する「桃」の花もまた春を代表する花のひとつなのです。

桃の花は3月の終わりから4月の上旬に掛けて薄桃色の花を咲かせます。桃色という色があるくらいに美しくも可愛さのある色です。ただ桃の花は濃い紅色から白色まで様々です。

そんな桃が持つ花言葉は「気立ての良さ」に「あなたのとりこ」と「天下無敵」です。

「気立ての良さ」や「あなたのとりこ」に関しては丸みを帯びた花の形やその色から想像は出来ますが「天下無敵」とは一体どういうことなのでしょう。

それにはあまり知られることのない桃の持つ力が関係しているのかもしれません。

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桃は穢れや邪気を祓い不老の力を与えるもの

日本には春分や秋分など一年を24の期間で区切った二十四節気というものがあります。さらにこの節気をそれぞれ3つに区切ったものを七十二候と言います。

これらは古代中国で生まれて日本に伝わってきたものですが二十四節気の内の「啓蟄(けいちつ)」には七十二候「桃始笑」という候があり中国では「桃始華」という候があります。
このことから分かるように日本でも中国でも桃は季節を示す大切な存在だったのです。

ですが桃は季節の目安となるものだけではありませんでした。
中国では桃の木は「仙木」、桃の果実は「仙果」と呼ばれていて神仙に力を与える神聖なものとされているのです。そしてそれと同時に桃にはある力があると言われています。

それが邪気を祓い不老長寿の力です。この伝承もまた「天下無敵」という花言葉の由縁なのかも知れません。

中国では祝い事の際に桃の形をした桃饅頭が食されます。他にも桃の枝を畑に挿して虫除けにしたりもするそうです。
日本でも桃は黄泉醜女(よもつしこめ)を退散させたとして大神実命(おおかむづみのみこと)の名を与えられたと古事記に記されています。この事から桃には鬼や魑魅魍魎を祓う力があるとされているのです。

そして穢れを祓う儀式「流し雛」が行われる「上巳の節句」は「桃の節句」とも呼ばれます。女の子の幸福と成長を願う桃の節句。この名前は時期から付けられたこともありますが桃の持つ破邪と不老長寿の力にちなんだ名称なのかもしれません。

そういえば桃の木で作られた弓矢は邪を祓い悪鬼を退けると言われています。
もしかするとこの弓矢の伝承は神社で目にする「破魔矢」の原型だったりもするのかもしれませんね。
それでは今夜はこのあたりで。

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