「弁才天」学問や芸能を司り戦勝の御利益をもたらす神様

七福神の一柱「弁才天」とはどんな神様なのか

人体は約60%の水で出来ています。しかしこれは成人における平均値です。これが子供になると約75%になり胎児になると体重の約90%を水が占めることになります。

水は人が活動するために必要なものだと言うことは説明するまでもないと思います。
体内で循環した水はやがて体内外を循環します。それと同じように地球上でも雲から川、川から海そして海から雲へと循環を繰り返します。

今回お話しする「弁才天」は元は河や水を司る神様だったとされています。
まずはそのあたりから順を追ってお話ししていきましょう。

現在の「弁才天」の前身となったのは古代インドの「サラヴァスティー」という神様です。
この神様は聖なる河の化身と言われていて水を司る女神でした。
そしてその名が広まり始めると次第に学問や芸術をも司る女神となっていきます。
それと同時に琵琶のような弦楽器を持った現在の姿に変わっていったのです。

やがてサラヴァスティーは仏教の守護神である天部の一柱として取り入れられ「弁才天」と名前を変えました。
この頃には音楽や学問の他に勝負事をも司ることになっていき戦いを勝利へと導く戦勝の神としても崇められていました。

その後日本に伝わった弁才天は日本神話に登場する市杵嶋姫命(いちきしまひめ)と同一視し始められてやがて習合されることになります。

そして「弁才天」は七福神の一柱に加えられて人々に崇められることになったのです。

それではそんな弁才天にはどのような御利益があるのでしょうか。

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「弁財天」とも表される「弁才天」のもたらす御利益とはどのようなものなのか

日本にやって来て七福神の一人つまり福の神として祀られることとなった「弁才天」にはある御利益が付加されました。

皆さんはこの神様が「弁財天」と表されているのを見たことがないでしょうか。
それは弁才天の「才」の音が「財」に通ずることから弁財天とも表記されるようになったのです。
この事から財宝神としての一面も持ち合わせるようになりました。

ですがサラヴァスティーの司る水の育む「豊穣」の力や仏教に取り入れられてからの「学問」「音楽などの芸術」などのかねてから持ち合わせる力を失うことはありません。

この事から「弁才天」のもたらす御利益は「学術の向上」「芸術の才能」「財運」と言われています。

このような御利益のある「弁才天」を祀る霊場は数多くあります。
多くは紹介しきれないのですが滋賀県長浜市の竹生島にある宝厳寺。神奈川県藤沢市江ノ島に鎮座する江島神社に広島県廿日市市の宮島にある大願寺の三霊場が日本三大弁才天と呼ばれています。

改めて考えてみると竹生島に江ノ島、宮島と三大弁才天は全て島に建立されています。
たとえ七福神の一柱となってもやはり水の女神としての一面は忘れられていないのでしょう。

人が生きていく上で必要不可欠な美しい水。それこそが弁才天のもたらす最大の御利益なのかもしれません。

それでは今夜はこのあたりで。

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