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ムジナとはどんな動物なのか
夏ですね。夏と言えばドライブの季節です。海岸線をのんびり走るのは気持ち良いものです。
車やスマホのナビを使う人は意外と多いと思います。目的地に向かうときは非常に便利なものです。
これはまだナビがあまり普及していなかった時のお話です。
当時車の免許を取り立てでとにかくいろんなところに行ってみたくて仕方ありませんでした。助手席に友人を乗せて知らない町を知らない道を走り回っていました。
特に目的地もなく走っていても方角だけはしっかり把握していたものです。
しかし助手席の友人に「きっとこっちの方だ」とか「こんな道通ってない」などと言われて知らぬ間に山の中の道なき道を走っていたことがあります。
どうでも良い話ですね。それでは話を進めていきましょうか。
「貉」「狢」あまり見慣れない漢字ですね。この漢字はムジナと読みます。ムジナと言われてもなかなかその姿が思い浮かばないかもしれませんがこのムジナとはアナグマを指す言葉です。
日本に住むアナグマはニホンアナグマくらいでしょうか。ですが地域によっては狸のことをムジナということもあります。
さて、ムジナと聞いて何か思い浮かびますか?
なかなか耳にする名前ではないですね。パッと出てくるのは「同じ穴のムジナ」ということわざくらいでしょうか。
「同じ穴のムジナ」それは「違うように見えても実は同類」という意味です。あまり良い意味では使われないことわざなのでかなり使う場面が限定されることわざです。
しかしなぜムジナと言うだけで悪い意味で使われるようになったのでしょう。
それは貉(ムジナ)の持つ怪異としての一面が影響しているのかもしれません。
人を化かす怪異「貉(むじな)」
アナグマの事をムジナと呼びますがムジナは長い年月を生きると特殊な力を身に付けて人を化かす怪異となるとされています。
その事は民話や伝承でも語られていて狐や狸と並ぶ存在となっているのです。
「今昔画図続百鬼」の明の部でも紹介されています。
動物の年齢など人間が見ても分かるものではありません。しかし怪異となった貉(むじな)は別です。力を身に付けた貉は背中の毛色が変わり十字の模様が現れるのです。怪異となった貉はとても足が早いそうなのですがそのスピードは常人の数倍だと言われています。
怪異の中にはオオムジナと呼ばれる凶暴な種類もいるのですがほとんどは人を化かして楽しんでいるだけです。
しかも化かしかたにはパターンがあります。主に3パターンありますのでそれを覚えておけばある程度防ぐことが可能です。
そのパターンの一つ目は現在ではほとんどないでしょうが「肥溜めをお風呂だと思わせる」というものです。二つ目は「道を川だと思わせて人に遠回りをさせる」というなんとも迷惑なものです。そして三つ目は「人の方向感覚をなくす」というものです。
どれもそこまで被害があるものではないですが急いでいるときには迷惑なものです。
特に方向感覚を失わされたりしたら…ん?
そういえば冒頭でお話ししましたね。友人の言うがままに車を走らせていたらいつの間にか山の中を走っていたと。
もしかしたらあの時助手席に座っていたのは友人ではなく友人に化けたムジナ…
それでは今夜はこのあたりで。