「恐怖」「恐れ」は人や動物の持つ感情の一つ
高いところに狭いところや暗いところなど生活のなかで「怖い」と感じる場面があると思います。
そもそも「怖い」とはなんなのでしょう。
ある事象に対して怖いと感じるのは「恐怖」と呼ばれる感情の1つです。
恐怖を感じる対象は人により様々です。
「高さ」に恐怖を感じる高所恐怖症、「暗さ」に恐怖を感じる暗所恐怖症のほかにも「尖端恐怖症」というものもあります。
他にも状況や物だけではなくある特定の色だったり匂いだったりもします。
なぜ恐怖や恐れをを感じるのか
恐怖を感じる対象はなにも状況や物に限ったものではないと言いましたがこれらのものになぜ恐怖を感じるのでしょうか。
例えば高所や尖ったものなど直接「死」につながる可能性がある事象に対しては「死」そのものが恐怖の対象になります。
死まで至らないにせよ身に有害な影響を与えるであろうという対象に人や動物が恐怖を感じるのはその個体の記憶や本能が危険を察知したときだと言われています。
「恐怖体験」というと大袈裟に取れるでしょうが「怖い体験」と聞けば誰でも一つくらいは思い当たる節があるのではないでしょうか。
その時あなたは何に怯えていましたか?
人体に備わった恐怖と戦うための力
人や動物は恐怖に直面するとどんな反応を示すのでしょう。
いくつか例をあげてみます。
・瞳孔が開く
・心拍数が上昇する
・体が硬直する
・汗をかく
・顔から血の気が引く
他にも特に女性に見られる変化として危険を感じると嗅覚と聴覚が敏感になるという話も聞きます。
実はこれらの変化が起こるのには理由があるのです。
聴覚と嗅覚が敏感になり瞳孔が開くというのは恐怖の対象をしっかり把握し状況を正確に感じ取るためです。
極度の恐怖による体の硬直は別として危険を感じたさいの瞬時の硬直は次の動作にスムーズに移れるようにするための準備なのです。
さらによく聞く「顔から血の気が引く」という言葉ですが実は体内では本当に顔から血が引いています。
動物や人は恐怖を感じると手足に血液が集まります。
手足へ血液を集中することと心拍数の増加で逃走や戦闘のために運動能力を高めているのです。
これは意識して行っている訳ではなく生存本能もしくは遺伝子レベルで組み込まれている反応なのです。
なぜ得体の知れないものを恐れるのか
これまで恐怖についてお話してきましたが人は目に見えないものにも恐怖します。
代表的なものは「お化け」「幽霊」などでしょうか。「悪魔」もそうです。
動物や人は体験や本能を元に有害なものに恐怖を感じます。
ですが幽霊やお化けを怖がっている人の中で実際に幽霊の被害にあったという人は少ないのではないでしょうか。
ではなぜ幽霊を怖がるのでしょう。それは幽霊やお化けの話を聞いたりした記憶がその人に恐怖を与えているのでしょう。
暗い場所だったり不気味な場所で幽霊の話を思い出しその話の登場人物と自分を重ね合わせ自ら恐怖を生み出しているのでしょう。
ですが先程話した遺伝子レベルで組み込まれている身体的な反応を思い出してみてください。
生活している中で暑くもないのに汗をかいたり寒くもないのに血の気が引くのを感じたりすることがありませんか?
もしその時あなたが恐怖という感情を抱いていなかったとしてもあなたの遺伝子が身に迫る危険を感じ取っているのかもしれません。
得体の知れない見えない危険を。
それでは今夜はこのあたりで。