山小屋の怪談~ローシュタインの回廊を考察する

山小屋の怪談話を聞いたことがありますか?

雪山を登山していて遭難してしまった四人組が居ました。次第に日が沈み気温が下がってくる中運良く山小屋を見つけます。

中に入ってみましたが食料はもちろん暖を取るものすらありません。山小屋の中とはいえこの状況で眠ってしまえば間違いなく寒さで命を落とすでしょう。

そこで四人はそれぞれ部屋の四隅に立ちます。そして一人が部屋を上から見て時計回りに壁際を歩きます。そして隅に立つ人にタッチして次の人はまた壁づたいに歩き次の人に。という風に部屋の中をぐるぐる回り寝ずに朝までやり過ごそうと考えました。

四人は一晩中部屋の中を回り続けやがて朝日が昇ります。そして無事に下山しました。

ですがそのうちの一人がある事に気付きます。

図に書いてみれば一目瞭然ですが五人居れば回り続けることは可能ですが四人では一周も出来ずに終わってしまうのです。

なぜ四人しかいなかったのに部屋の中を回り続けられたのか?

回り続けるために必要なもう一人は一体誰だったのか?

という怪談話があるのですが結構有名なのでご存じの方も多いと思います。話が伝わるなかでいろいろアレンジが加えられていたりもします。始めは五人居て一人が滑落により居なくなってしまい見えない一人はその滑落したメンバーで四人を助けてくれたというパターンも存在します。

そんな怪談話ですが話を知っている人は居てもそのルーツを知る人は少ないかもしれません。

今回はそのルーツについてお話しようと思います。

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ローシュタインという人物

はるか昔にローシュタイン卿という人物が居ました。彼は卿の称号を持ち城主でもあります。

彼には悩みがありました。多額の借金です。

彼は借金を返すために思考を巡らせます。そこで彼は自分の城で催しをして人を集めようと考えました。

降魔術とローシュタイン

彼は自分の城で悪魔を呼び出すために降魔術を行うことにします。本来キリスト教の布教した土地でそんな事は許されるわけがありません。ですがローシュタインの目的は降魔術がうまくいかないことを実証し悪魔を否定することなのです。

そして城にたくさん人が集められ皆が見守るなか降魔術が行われました。

その時行われた降魔術の内容を説明します。

・まず部屋の四隅に人を配置します。四隅をそれぞれ時計回りにABCDとしAに二人、BとCとDにそれぞれ一人ずつ計五人で行います。

・部屋を暗くして五人は目隠しをします。そしてAから一人が時計回りにBへと壁づたいに向かいBに立つ人物の肩をたたき肩を叩かれたBにいた人物はCに向かいます。

・五人居ますので部屋の中をずっと回り続けることが出来ます。このまま数十周続けます。

・そして事前に決められていた一人が他のメンバーに知られないようにこっそりと抜け出します。

・一人が抜けたあともうまく悪魔を呼び出す事が出来れば悪魔が変わりにこのループに参加して滞ることなく周回が続いていく。

これがローシュタインの行った降魔術の手順です。もう分かったと思いますが冒頭で紹介した山小屋での怪談に似ていますね。これが怪談話のルーツです。

ですがこのローシュタインの話には続きがあるのです。

ローシュタインの策略

悪魔の存在を否定するために降魔術を催したローシュタインですが彼の目的は多額の借金を返済すること。降魔術が失敗に終わっては人を集めることは出来ません。

そう彼の悪魔を否定するためとういうのはあくまで建前で彼は必ず降魔術を成功させる必要があったのです。彼は特定の一人にある指示をしていました。一人が抜けて四人になった後誰もいない部屋の隅にたどり着いたら角を曲がり次の隅に立っている人物の肩をたたき手前の隅まで戻ると言うもの。

一人がこの行動を行うことによりループはずっと続きます。真っ暗な部屋と参加者の目隠しが可能にするトリックです。

ですが降魔術の実験としては大成功に終わります。彼の城には噂を聞きつけたたくさんの人達が集まり無事借金返済にいたったのです。

そしてこの降魔術は民衆から「ローシュタインの回廊」と呼ばれるようになりました。

ローシュタインの回廊

さて、今回はローシュタインの回廊が誕生した経緯をお話したのですが今回紹介した降魔術はローシュタインが考えだしたものなのでしょうか?それともそれ以前から存在していてそれをローシュタインが利用したものなのでしょうか?

この方法はスクエアとも呼ばれていますがそもそも古代から伝わる闇の儀式に正式な名前が付いてるとも考え難いです。

仮に名もない儀式をローシュタインが利用したのであればもしかすると何度も儀式を繰り返しているうちに本当に成功していた可能性もあります。

今となっては確かめようがありませんがそこは踏み込んでいくべきではないのかも知れせん。

それでは今夜はこのあたりで。

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