目に映る「視界」と「世界」とカリング技法

「カリング技法」とは見えないものは存在させない技法

インターネットの普及した現在ではゲームの世界でもインターネットを利用したオンラインゲームが主流になってきました。
その中でも果てしなく広がるフィールドをプレイヤーが自由に移動、行動出来るオープンワールド形式のゲームも増えてきました。

オンラインゲームの中に広がる世界というのはデータの集まりです。そしてそのデータはサーバーやデータベースに保管されておりユーザーがそこにアクセスすることによりゲームをプレイします。

つまりプレイヤー人口が増えたりゲーム内のイベントなどによりアクセスが急増することによりサーバーへの負荷が増えます。

それを防ぐためにいろいろな対策が取られているのですが先ほど話したオープンワールドのゲームの中にもサーバー負荷を減らす工夫が施されています。

それは「カリング」という技法です。

カリングとは見えないものは存在を消してしまう技法のことです。
見えているものだけ存在させるといった方が良いでしょうか。

ゲームのフィールドには建物や植物、道路などの様々なオブジェクションが描かれています。
実はこのオブジェクションだけでもオープンワールド全てに配置するとなるとかなりの情報量になってしまいます。
そのためプレイヤーから見えていない部分にはただ平坦な地面だけが広がっているのですがプレイヤーの見ている画面、つまり見渡せる視界にだけオブジェクションを配置してオープンワールドの世界を造り出しているのです。

この事で全体の情報量を減らしてサーバー負荷を減らしています。
これが「カリング」と呼ばれる技法なのです。

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あなたの世界とカリング技法

朝目覚めたときから始まるいつもの日常、いつもの風景、そしていつも出会う人物。

あなたの目に見える物。あなたが耳にする音。あなたの嗅ぐ香り。
あなたが五感で感じる全てがあなたの世界なのです。

しかしこの世にはあなたが触れたことのないものや見たことのないもの。感じたことのないものはたくさんあることでしょう。
それはあなたの「知らない世界」でありまた別のお話です。

今お話ししようとしているのは知りながらも五感で感じていない部分「認識していない世界」についてです。
あなたが生活するなかで感じ取れる世界には限界があります。
視界を何かに阻まれたり音が聞こえないほど遠くにいればそれはあなたの世界からは外れてしまいます。

ではあなたの五感が届かない場所にある世界は存在しているのでしょうか。
ゲームの世界の中のように見えていない所には何も存在していないのでしょうか。

そんなことはありません。周りの世界と交流のなかった時代ならともかく今はインターネットなどの様々な手段により世界は繋がっています。

たとえあなたが感じていなくても世界はそこにあるのです。

さて、実はこのカリングという言葉は生物学では間引きを意味するそうです。
植物の栽培などで不要なものを取り除き必要なものを残すといった感じのことを指します。
ゲームに使われるカリングとはちょっとニュアンスが違いますね。

あなたが五感で感じるものがあなたの世界ですがその五感の届かない先にも世界は広がっています。
そしてその中にあなたが自分勝手に不要だと思って見ないようにしている、聞こえないふりをしている世界はありませんか?

時には考えてみてください。その光景やその声は本当にあなたにとって不必要ものなのかを。
もしかするとそこに広がる世界には今までとは違うあなたが居るかもしれないことを。


それでは今夜はこのあたりで。

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