文字の力と込められた想い
明日は七夕です。笹の葉に願いを書いた短冊を吊るします。
元は太陰暦つまり旧暦の7月7日に行われていて旧暦7月15日に行われていたお盆とセットでした。お盆が新暦になってから8月に行うようになりましたが七夕は新暦になってからも7月に行われているために別の行事のようになってしまいました。
ちなみに短冊の色は主に緑、赤、黄、白、黒の五色ですがこの色は陰陽五行説から来ていると言われています。
七夕の歴史と色の話はちょっと置いておきまして短冊に話を戻しましょう。
短冊には願いを書きます。願いを伝えるために文字を使います。文字とは一体なんなのでしょうか。
文字は世界中に様々な形で存在します。アラビア文字に占いにも使われるゲルマンのルーン文字にギリシャで使われいるギリシャ文字は紀元前9世紀あたりに作られたと言われています。
普段目にする英語のアルファベットはラテン文字と呼ばれるもので紀元前7世紀ごろに今の形が出来上がったと言われています。そして日本で使われる平仮名は平安時代にはっきりとした形が確立されました。
文字は古来より誰かが誰かに物事を伝えるために生まれたものです。
後世に残す記録や自分が確認するためのメモもそうです。自分の想いを伝えるためのラブレターもその一つです。
そして文字には力があります。「危険」という看板を見れば人は避けようとしますし「祝い」という文字を見れば嬉しく思います。
文字は人の心に影響を与えます。ですがその力を与えたは人間自身です。その長い歴史の中で少しずつ力を蓄えていったのです。
言葉に込められた力を言霊(ことだま)と呼びますが文字に込められた力ですので文字霊(もじだま)とでも呼んだらよいのでしょうかね。
言葉の持つ力と伝わる想い
先ほども少しだけ触れましたが古来より言葉には力があると考えられていてその力の言霊(ことだま)と呼んでいました。
言葉の歴史は文字の歴史よりも古く文字同様に世界中に様々な言語が存在します。言葉は人と人とを繋ぐために作られてきました。そして言葉は人の心に影響を与えます。
良い言葉には良い言霊が宿り悪い言葉には悪い言霊が宿ります。誉められれば良い言霊の影響で気分は良くなりますし悪口を言われれば悪い言霊の影響が心に及びます。
以前呪いの話をしたことがありますがその時に呪いは言葉から始まると話しました。
呪いの意思を言葉や文字により伝えることで呪いは効果を発揮するという話です。これは言霊と先ほど話した文字霊の悪い部分を利用したものです。
二つの植物を用意します。片方の植物には「綺麗に咲いてね」や「大きく育ってね」などの励ましや誉め言葉だけを語りかけます。
もう片方の植物には「汚い花」や「枯れてしまえ」などの罵声や悪口だけを語りかけます。
すると誉め言葉だけを掛けた植物は元気に育ちましたが悪口を言い続けた植物は元気がなく育ちが良くなかったという話も聞いたことがあります。
響く言葉に届く文字 乗せる想いと伝えかた
インターネットが普及するとともにメールやSNSを使用する機会も増えてきました。
それとともに直接会って話したり電話を掛けるなど声でのやり取りは減ってしまいました。手紙を書き文字で何かを伝えることも減ってしまいました。
これも時代の流れなのでしょう。ですが突然手紙を書いたりするのもなかなか難しいものです。
明日は七夕です。普段文字を書く機会がない人も何気なく文字を書き読み流している人も短冊に一文字一文字願いを込めて書いてみてはどうでしょう。
文字の持つ何か大切なものが見えてくるかもしれませんね。
それでは今夜はこのあたりで。