「ヤモリ」と「イモリ」の名前の由来とそれぞれが守るもの

窓に張り付く可愛い姿「ヤモリ」は家を守る爬虫類

生活していると必ず訪れるもの。それは昼と夜です。
自然界にももちろん昼と夜の顔がありそれぞれが不思議と魅力でいっぱいです。
夜の帳が下りてから何気なく外を見ようと窓に目を向けるとあなたの目に外の暗闇に浮かび上がる白い影が映ります。
そう、窓に張り付いたヤモリのお腹です。夜行性の彼らは夜になると餌を求めて家の周りをウロウロしているのです。そして窓から漏れる光に集まる虫を追い求めて窓に張り付くのです。

可愛いですね。非常に可愛いですね。とても柔らかそうなお腹です。まさかヤモリも中から見られているとは思ってもいないでしょう。
実はヤモリのお腹は柔らかそうなのではなく実際にかなり柔らかいのです。お腹というよりも体全体がフヨフヨとしていて柔らかいです。
むしろ脆いと言っても過言ではないかもしれません。かなり大きなものに噛みつくと逆に顎が砕けたりもしてしまうそうです。

そんなヤモリですがなぜヤモリと呼ぶのでしょうか。
ヤモリは人家に潜む害虫を捕食します。さらに人に危害を加えることがまずないので縁起の良い動物とされているのです。
「家を守る」つまり「家守(やもり)」が彼らの名前の由来です。

先程も言いましたが彼らの体は非常に脆いです。見付けても愛でるくらいしてそっとしておきましょう。

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赤いお腹はなんのため?「イモリ」は井戸を守る両生類

綺麗な小川などを見ていると時々水の中にサンショウウオに似た生き物を見かけることがあります。
黒い色をしていて気になり捕まえてみると…お腹が赤い…そのコントラストにビックリして思わず手を離してしまう。なんていうのは懐かしい思い出です。

実はこの赤いお腹は動物達が持つ警戒色の一つです。警戒色とは自分を襲ったり捕食したりすると危険な目に遭うよという事をアピールするために付いた色です。

イモリも触られるなどの刺激を受けるとお腹を見せて警戒を促します。
両生類の体の表面に細菌の侵入を防ぐために微量な毒があることがあります。イモリも同様で体表面に微量なテトロドトキシンがあります。フグの毒として有名な毒ですね。
微量ですので人体には影響はないかと思いますが抵抗力の低い乳児などには危険がある可能性もありますので気を付けてください。
話が少しそれてしまいましたがイモリの名前の由来はヤモリと似ています。
イモリは綺麗な水の田んぼや井戸に住みます。この事から「井戸を守る」「井守(いもり)」と呼ばれるようになったのです。
さて、実はこの名前の由来よりももっと知ってもらいことがあるのです。
それはイモリの再生能力についてです。

トカゲなどは自分に危険が迫ると自ら尻尾を切ってその尻尾を囮に残して逃げ去ります。これを自切と言いますがその後トカゲの尻尾は元の形に再生します。
これと同じようにイモリにも体が切れても元の形に再生する能力があるのです。
しかしこの再生能力はトカゲ以上のものです。トカゲの場合尻尾は元の形に再生しますが中の骨までは再生出来ません。イモリはこの骨までも見事に再生してしまうのです。
さらにこれは尻尾に限ったことではなく手足ですら再生してしまいます。非常に体が柔らかく傷つきやすいのですがこの傷もあっという間に塞がってしまいます。
ヒドラも真っ二つに切れてもそれぞれが別の個体に再生するほどの能力を持っていますが脊椎動物でイモリほどの再生能力が高いものはいないでしょう。

そういえば「イモリの黒焼き」と呼ばれる惚れ薬があります。あれは雌雄のイモリがお互いを恋焦がれ心臓まで黒く焼けてしまうというのが由縁らしいのですがイモリの求愛行動はオスがメスの進む方向に回り込んで目の前で尻尾をフルフル震わせるらしいです。これまた可愛らしいですね。

似て非なるもの?イモリとヤモリと違い

イモリとヤモリに簡単に説明しましたがこの二種の動物は時折混同されることがあります。
しかし実際に見てみると全く別の生物だと分かります。ヤモリは爬虫類に属しイモリは両生類に分類されます。色も灰色と黒色で見分けられますね。
ですが名前に付いている「守り(モリ)」はどちらにも共通しています。
この辺りが混同される原因なのかもしれませんね。
この二種ともが人にとって大切なものを守り続けてくれている存在です。現在の排水処理技術や家屋の衛生管理技術は目覚ましいものです。
ですが時々思い出してあげてください。今でも彼らが水や家を守り続けてくれていることを。

それでは今夜はこのあたりで。

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