ベラドンナとオオカミナスビ
オオカミナスビという植物の名を聞いたことがあるでしょうか。多年性で日陰を好む植物で主に西ヨーロッパに自生しています。
紫色の花を咲かせたあとに黒くて丸い実をつけるのですがこの実は甘いらしいです。しかしこのオオカミナスビの実は口にしてはいけないと言われています。
非常に毒性が強いからです。アルカロイド系の毒で下手をすれば命を落とすほどのものですので決して口にしてはいけません。
オオカミナスビと聞いてもピンとくる方は少ないでしょうが「ベラドンナ」と聞くとどうでしょう。良く物語などでも聞くことがある植物の名前だと思うのですが今回はこのベラドンナの話をしたいと思います。
魔法植物としてのベラドンナ
ファンタジーなどの世界で良く聞くことがあると勝手におもっているのですがこのベラドンナは物語の中でよく魔法植物として登場します。
ですがベラドンナは物語の中だけではなく実際に魔法植物として使用されてきました。
中世ヨーロッパではベラドンナは男性を魅了する薬として使われていたのです。その時代の女性達はパーティーなどの社交の場に行く際は魔女に処方してもらったベラドンナを使用してたそうです。
男性を魅了する薬ベラドンナの魔法と科学
中世ヨーロッパで男性を魅了する薬として使われていたベラドンナですが実は科学的な根拠があるのです。
そのベラドンナの使い方ですが煎じた液やすりつぶした際に出る果汁を点眼するというものでした。
中世ヨーロッパでは瞳の綺麗な女性がモテたと言われていました。そしてベラドンナの持つ毒性の主成分はアルカロイド系です。アルカロイド系の毒は散瞳効果つまり瞳孔を開く作用がありベラドンナはその作用で瞳を綺麗に見せていたのです。
しかし時代は変わっても毒に変わりはありません。間違ってもこの記事を読んだ皆さんは決して真似しないようにしてください。
ちなみにベラドンナはイタリア語で美しい女性という意味を持っています。
現在のベラドンナとその扱い
ベラドンナと聞いて一番に鼻炎薬を思い出す人がいるかもしれません。毒をもって毒を制すではないですが鼻炎薬にもベラドンナが含まれていることがあります。
かねてより微量の毒を薬として使うことは多くありました。ベラドンナのアルカロイド系毒素を使用した一例だと思います。
日本には自生していることもなく野山の木の実を口にする機会は少ないでしょうがベラドンナの実はブルーベリーに似ています。
そしてこれを食料としている動物もいるそうですが犬や猫は中毒症状を起こすそうです。
なぜいきなりベラドンナの話をしたかと言いますと
この記事を書いてきてふとオオカミナスビの名前を思い出したからです。せっかくですのでまた変わった植物があったらお話ししたいと思います。
それでは今夜はこのあたりで。