鈴虫の鳴き声が持つ意外な効果 それは魔除けの効果

綺麗な鈴の音色を持つ鈴虫(スズムシ)

暑い夏の風物詩と言っても良いセミの鳴き声ですが季節が秋に変わるとその鳴き声にも変化が起きます。

セミの鳴き声から透明感のある虫達の鳴き声に季節とともに移り変わります。

セミの鳴き声はどうしても暑苦しく感じますが鈴虫の鳴き声はどこか涼しく感じます。実際に秋は涼しいものですがきっとこの音が涼しさを助長してくれているのでしょう。

夏に涼しさを得るためのものに古くから風鈴があります。夏と音のキーワードから連想するのはやはり風鈴でしょう。それと同じように秋と音のキーワードから連想するのは鈴虫ではないでしょうか。

鈴虫と風鈴には「鈴」という文字以外にも実は共通するものがあるのです。

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鈴虫と風鈴と音の力

時は室町時代。綺麗な音には邪をはね除ける力があると信じられていました。

寺院にある梵鐘を小さく風によって音がなるようにしたものが風鐸。風鐸を一般家庭用にさらに小さくしたものが風鈴だと話したことがあります。

風鈴の音色には魔除けの効果があるらしい 夏の風物詩のひとつである風鈴ですが今年7月9日から埼玉県川越市の氷川神社で「縁結び風鈴」という催し...

そしてその音には音が聞こえる範囲に聖域を作る力があると言われています。

風鈴の音が力を持つのと同じように鈴虫の鳴き声もまた聖域を作る力があるのです。

強い風が運んでくる邪をはね除けてくれる自動警備システムが風鈴なら鈴虫は敷地の中を巡回して邪を排除してくれる警備員のようなものですね。

室町時代には鈴虫の鳴き声がするようになると風鈴を外したそうです。

鈴虫の発する音があれば風鈴は必要なくなるからです。ですが風鈴は風に乗ってくる邪を祓うものです。しかし風に乗ってくるわけではなく地を這ってくる邪には風鈴は反応しません。

警備システムの抜け穴という訳ですね。しかし鈴虫がいれば地を這う邪も祓ってくれます。つまり風鈴と鈴虫両方の音の力があれば空と地をカバーすることが出来るのです。

当時の風習に従い風鈴をしまうかどうかはお任せしますが日本人であるなら風情を楽しむのも大切なことです。ここはやはり一度風鈴をしまい鈴虫の鳴き声に秋を感じるのも良いものかもしれません。

鈴虫の音で聖域を作った寺院

古都京都ここには数々の寺院があります。その中でも京都市西京区にある妙徳山華厳寺(けごんじ)には別の名前があります。

その別名とは「鈴虫寺」。この華厳寺では一年を通して鈴虫が飼育されていて一年中鈴虫の鳴き声を聞くことが出来るのです。

どんな願いも一つだけ叶えてくれると言われているお寺ですが音によってお寺全体を聖域とした一例でしょう。

声であっても人の耳には聞こえない音であっても音には力があります。感情を高ぶらせる力に心を鎮める力。鈴虫の音はあなたにとってどんな音なんでしょう。

もうすぐ秋がやってきます。浄化された空間を作ってくれていると考えれば鈴虫の音も今までとは違って聞こえるかもしれませんね。

それでは今日はこのあたりで。

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