海外のポルターガイスト現象と日本の家鳴り
夜に家の方々から音がする。置いてある家具が揺れるなどの現象は古くからあるものです。
それは日本では家鳴り(やなり)と呼ばれる怪異として様々な文献に記されています。
古くは日本書紀、江戸時代には鳥山石燕によって描かれた画図百鬼夜行にも記されます。
この家鳴りは日本特有のものではありません。海外でも古くからよく似た怪異が報告されていて「ポルターガイスト現象」と呼ばれています。
そしてこのポルターガイスト現象も一括りにはされていますがポルターガイストの中でも女性の霊が起こすものは「クイックシルバー」と呼ばれます。
それではこのクイックシルバーは女性の霊という以外にポルターガイスト現象の中でもどのような位置付けにあるのでしょう。
いたずら好きの女性霊「クイックシルバー」
ポルターガイストと聞くとみなさんはどんなものをおもいうかべるでしょうか。
食器やガラスが割れる。電気スタンドが倒れたりタンスの引き出しが飛び出してきたりして悪くすれば住人が怪我をしてしまうというような映画でよく見るような光景を想像するかもしれません。
しかしご安心ください。このクイックシルバーはそんな狂暴で破壊的なものではありません。
クイックシルバーが起こすのは蛇口を開けたり服を散らかしたり時には扉を音を立てて閉めたりという破壊というより悪戯っぽいものです。
相手を傷付けるよりも相手を驚かせて楽しむ感じでしょうか。
女性の霊と言いましたがなんだか好奇心旺盛な少女の霊を想像してしまいますね。
そしてクイックシルバーは自分が現れた痕跡として壁や鏡に英語表記のquicksilverの頭文字の「Q」の文字を書き残すそうです。
さて、英語表記のquicksilverは実は「水銀」を意味する言葉でもあります。
この言葉は「生きている銀」という意味で使われます。
quickは現在では速いという意味で使われていますが古くはquickは速いではなく生きているという意味で使われていたためです。
女性霊のポルターガイストであるクイックシルバー。彼女もまた生きた存在なのでしょうか。
それでは今夜はこのあたりで。