「エスカレーター効果」当たり前の事を当たり前だと思わないこと

エスカレーター効果と怪談話と勘違い

妖怪や幽霊、怪異などの登場する怖い話や怪談といったものはいつの時代にも存在するものです。

その舞台となる場所も様々ですか中には百貨店などのデパートやショッピングモールが舞台となっている話も多くあります。

夜中に警備員が婦人服売り場で得たいの知れないものを目にするというのもよく聞く話です。
そしてそのあと止まったエスカレーターを駆け降りようとすると何かに足を掴まれたとか。

さて、この時警備員は一体何を見たのでしょう。そして警備員の足を掴んだのは一体何なのでしょう。

舞台は婦人服売り場です。そこにはいろいろなマネキンが並んでいます。きっと警備員はマネキンを何かと見間違えたのでしょう。

ですがそのあとエスカレーターで警備員の足を掴んだのは一体何なのか。
本当に警備員は足を掴まれたのでしょうか。

その答えはもしかすると人間の心の中に潜むある違和感にあるのかもしれません。

その違和感とは「エスカレーター効果」と呼ばれる心理的効果のことです。

これは止まっているエスカレーターを降りるときに足が重く感じるというものです。
しかしこの効果は本来動いているはずのエスカレーターが動いていないために気分的に落ち込み足が重く感じるという心理的なものではありません。

本来動いているはずのエスカレーターというところまでは同じですがここからがちょっと違います。
まず人間の脳がエスカレーターを認識します。そして脳は止まっているにも関わらずエスカレーターは前に動くものだと無意識に認識してしまいます。
そのため自然と重心を前に移動してしまうのです。すると足の動きと重心の移動に普段感じない差が生まれます。
この差が足を重く感じさせるのです。

つまりエスカレーター効果とは心でなく体が引き起こす違和感なのです。

話を警備員に戻しましょう。マネキンを幽霊などと見間違えた彼はエスカレーターを駆け降りようとします。
しかし深夜のためエスカレーターは止まっています。ここでエスカレーター効果が起こって警備員は足が重く感じてしまいました。

彼は急に重くなった足を何かに掴まれたと勘違いしたのではないでしょうか。
人間の脳が引き起こす違和感と勘違いがこの話の正体だったりするのかもしれません。

ですがエスカレーター効果は「エスカレーターは前に動くもの」という認識があるからこその効果なのです。
警備員という職業柄「深夜のエスカレーターは動かない」という認識を持っていたのならエスカレーター効果は起こらないのです。

しかし「赴任したて」や「職場が変わって間もない」など深夜のエスカレーターに対する認識が薄い状態でこういった怪談が語られることが多いのも事実です。

警備員が何を見て何をされたのか。彼の脳が何を認識して何を錯覚したのかはいくら考えても堂々巡りです。

ですが人間の脳には確かに違和感や錯覚は存在します。
あなたが認識したものは勘違いなのかそれとも事実なのか。それすらも堂々巡りになってしまいます。

なぜならその事実を事実だと認識することも勘違いなのかもしれないのですから。

それでは今夜はこのあたりで。

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