「ゴルゴーン」女神の逆鱗に触れ怪物へと変えられた三姉妹
その怪物の名前は「恐ろしいもの」を意味すると言われます。
その怪物の名前は三人の姉妹の事を指すとされています。
その怪物の名前は「ゴルゴーン」と言います。
ギリシャ神話に登場する三姉妹であり三人の怪物について今夜はお話しすることにいたしましょう。
とある時代のとある所に一人の美少女がいました。
「女王」を意味する「メデューサ」という名前のこの美少女はある日のこと海神ポセイドンと恋におちてしまいます。
しかしメデューサとポセイドンが関係を持った場所はオリュンポス十二柱の一柱である女神アテーナーの神殿だったのです。
この事に腹を立てた女神アテーナーによってメデューサは醜い怪物へと姿を変えられてしまいます。
しかしこの事について黙っていなかったのが二人の姉です。
長女「ステンノー」と次女「エウリュアレー」はそれぞれ「強い女」と「広くさ迷うもの」という意味の名前を持つ美しい姉達です。
二人はアテーナーの元に出向きメデューサへの仕打ちに対して抗議します。
しかしアテーナーはそれに対して聞き耳を持たず二人の姉ステンノーとエウリュアレーも醜い怪物へ変えてしまいました。
こうして美しい三姉妹だった彼女達は醜い怪物「ゴルゴーン三姉妹」へと変貌したのです。
「毒を以て毒を制す」怪物ゴルゴーン三姉妹のもたらす魔除けの力
「恐ろしいもの」という意味の「ゴルゴーン」とは女神アテーナーによって醜い怪物へと変えられたステンノー、エウリュアレー、メデューサの美人三姉妹だったのです。
そしてやはりよく耳にするのは末妹であるメデューサの名前でしょう。
メデューサは黄金の翼を持っており腕は青銅で出来ています。さらにイノシシのような鋭い歯を持っているのです。
もちろんご存知の通り彼女の髪は無数の毒蛇で出来ています。
そして彼女の持つ目はメデューサの特徴としては最も有名でしょう。
宝石のように美しく輝くその目は見たものを石に変えるのだと言います。
ただそれは時代の流れとともにいつしかそう言われるようになったものでメデューサの姿を見た者は恐怖で石のように動けなくなってしまったというのが当初の言い伝えだそうです。
そして恐ろしいゴルゴーンは時に魔除けとして扱われることがあります。
実はステンノー、エウリュアレーの姉二人は不死身なのに対してメデューサだけは不死身ではありませんでした。
メデューサ討伐の際にペルセウスはその首を持ち帰りました。首だけになってしまってもメデューサはその力を失うことはなく相手を沈黙させる武器としてそして防具としてアテーナーの持つアイギスの盾に首は埋め込まれたのです。
そしてその邪視、邪眼は人だけではなく人であらざる邪悪な存在にも力を発揮するとされてきました。まさに「毒を以て毒を制す」ですね。そのため魔除けや厄除けとしてメデューサの顔が彫刻されたものが使われることが多くあったのだそうです。
実はあなたが嫌悪しているものこそあなたを助けてくれる存在だったりすることもあるかもしれません。
いえ、実はもうあなたは助けられているのかもしれません。
あなたが気付かないその内に。
それでは今夜はこのあたりで。