「鯉」昇る姿は龍の如く昇運をもたらす縁起の良い動物

成長と昇運を招く「鯉」は縁起の良い動物

誰にでも落ち着く雰囲気というものがあるものです。
自分の部屋だったり静かな喫茶店という方もいらっしゃるでしょうし逆に雑踏や人で賑わう飲食店という方もいらっしゃるでしょう。

勝手に決めてしまいますがそんな落ち着く場所の代表格と言えばやはり日本庭園でしょう。
茶室に灯籠、そして池に掛かる太鼓橋が主な特徴ですね。
目を閉じればちょっと高貴な人が着物姿で池の鯉に餌をあげる姿が浮かんできます。

そうですね。ということで今回は「鯉」についてお話しすることに致しましょう。

鯉と人間の歴史は古くその発祥は中国だと言われています。そして日本に伝わったのは1世紀あたりだと考えられています。
つまりそれよりも前には鯉と人の関係は始まっていたのです。

現在でも川や湖に棲息している野鯉の他にも庭園や公園の池などで彩り豊かな鯉を見ることが出来ます。ちなみに黒色の鯉は真鯉や烏鯉と呼ばれて黒以外の色をした鯉を色鯉(いろごい)と呼びます。
そしてその中でも赤い体をしたものを緋鯉(ひごい)、品種改良により斑点や色彩を加えられたものを錦鯉(にしきごい)と呼びます。

錦という漢字からすでに縁起が良さそうですね。鯉の滝登りという言葉もありますが鯉は昔から成功、昇進や長寿に金運上昇の力を持っているとされてきました。
それでは鯉は縁起が良いと言われる由縁についてお話ししましょう。

スポンサーリンク
レスポンシブ

登れば龍の力を手に入れる「登竜門」と「コイノボリ」

大正三色に黄金、紅白と華やかで縁起の良さそうな雰囲気を醸し出すのが水中を優美に泳ぐ錦鯉達です。
そんな鯉という言葉は様々なシチュエーションで使われます。
「鯉の滝登り」は鯉が成功と昇進を象徴する例えとして使われる言葉ですが実は鯉には滝を登りません。
時折水面から跳ねて1メートル以上の高さに達することもあります。ですのでもしかすると小さな滝なら越えられるかもしれませんが元々滝を登る習性はないのです。

ではなぜ滝登りという言葉が使われるのでしょう。
それは中国に伝わる神話に関係していました。

黄河の上流にある竜門山。この竜門山が治水工事により切り開かれた祭に川の流れが変わり急流が出来上がりました。
ある時この急流を登る一匹の鯉がいました。何度も流されそうになりながらその鯉は急流を登りきったのです。
すると鯉は龍へと姿を変えて天に昇っていったのでした。
そしていつしかこの急流は登ると龍になることから「登竜門」と呼ばれるようになったのです。

この神話から鯉は昇進や成功を象徴する存在として広まっていったのです。

そして時代も場所も変わり江戸時代の日本に話を移しましょう。
それは5月5日つまり端午の節句のある武家のお話です。その日その家の庭先には鯉の形をした布を幟として掲げていました。
これは主人が子弟の立身出世を願いを込めたものです。

そう「こいのぼり」ですね。成長と出世の御利益があるとされるコイノボリを庭先にあげることで子供達の成長を願うのです。
始めは武家から始まったこの風習も明治の四民平等の考えから一般家庭にも普及していきました。

そして現在でも端午の節句には子供達の成長と出世を願ってコイノボリがあげられるのです。

そういえば先程お話しした「登竜門」という言葉はいろいろなところで使われます。
何か目的を達成するための関門のような意味合いでも使われますね。
何かを成し遂げるには力が必要です。そして力を身に付けるには努力が必要です。

あなたは今何に向かっていますか?
あなたの前にある登竜門を登りきった時にあなたは龍になれるのでしょうか?
それとも鯉のままなのでしょうか?


それでは今夜はこのあたりで。

スポンサーリンク
レスポンシブ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レスポンシブ