実在した仏僧「布袋」とはどんな人物だったのか
巾着袋やレジ袋など袋と呼ばれるものは多数あります。
人生の晴れ舞台である結婚式でのスピーチでもよく三つの袋についての話が出てきますね。
「給料袋」と「堪忍袋」にその他ウケ狙いの袋だったりしますがきっとこれら袋の中で結婚生活で重要視されるのはやはり「堪忍袋」でしょうか。
今回はこの「堪忍袋」を背負っていると言われる七福神の一柱「布袋様」についてお話ししようと思います。
布袋様と言えば「大きな袋」を担いだ「大きなお腹」をした神様ですね。実はこの神様は七福神の中で唯一実在した人物なのです。
舞台は中国の唐の時代。釈契此(しゃくかいし)という名前の仏僧がいました。
釈契此は決まったお寺に住むこともなくいろいろな所で渡り歩き寝泊まりをする生活を送っていました。
もちろんトレードマークは大きなお腹と大きな袋です。行く先々で施しを受けて頂いたものは袋の中にしまっていたのだそうです。
この布袋様にはいろいろな逸話が残されています。
禅問答のような謎に満ちた公案や歌などを残しているとも言われていたり雪の中で眠っていても布袋様の上にだけは雪が積もらなかったと言います。
他にも人の凶事を言い当てたり没後にその姿を見掛けられるという不思議な逸話も残っています。
さらに没する際に残した言葉から弥勒菩薩の化身として崇められるようになりました。
そしていつしかそのトレードマークから「布袋」と呼ばれるようになり日本に伝わって七福神の一人となったのです。
かなり簡単に説明しましたがそれでは布袋様にはどのような御利益があるのでしょう。
人から神へとなった「布袋」はどんな御利益をもたらすのか
中国に生まれ数々の逸話を残して伝説となった仏僧「釈契此(しゃくかいし」改め「布袋」は一体どんな御利益をもたらす神様なのでしょうか。
そのヒントはもちろん布袋様のトレードマークに隠されています。
まず布袋の担ぐ「大きな袋」ですが袋にはたくさんの物が入っています。
この事から「富裕」「富貴」つまり「金運上昇」の御利益があるとされています。
次に布袋様の体格です。恰幅の良いその体つきから「懐の深さ」や「度量の広さ」に「円満な性格」をイメージさせてくれます。
それは「良い人脈の拡大」をもたらすと言われます。
ということで布袋様の御利益は「金運上昇」と「人脈拡大」とされているのです。
布袋様を祀る霊場としては兵庫県神戸市にある布袋寺や京都府宇治市の萬福寺などが有名でしょうか。
ちなみに布袋様の担いでいる袋は「堪忍袋」だとされています。
円満な性格の布袋様も不満やうっぷんを担いだ袋に溜め込んでいたのかもしれませんね。
ですが「堪忍袋の緒が切れる」という言葉もあるようにいかに大きな袋でも溜め込みすぎるとやがて緒が切れて中身が飛び出してしまうかもしれません。
どんなに大きな袋でもたまには溜め込みすぎずに中身を取り出してあげるのが必要なのでしょうね。
それでは今夜はこのあたりで。