「戌」行動力と守護の力「犬」は神様の使いでもあるのです

邪気や悪鬼を祓う「犬」の持つ守護の力

人と関わりの深い動物と言われてまず頭に浮かぶのはネコかイヌではないでしょうか。
どちらもペットとして広く普及していますが今回は「犬」についてお話していこうと思います。

イヌは十二支に含まれる動物の中で最も人間と馴染み深い動物です。
イヌは約15000年前にタイリクオオカミから分化してイヌが生まれました。現在その種類は実に多く形や大きさも様々です。そのため犬を研究している人達から「シェイプシフター(変身動物)」とも言われるほどです。

犬と人間の歴史はとても古く記録によると古代メソポタミアや古代ギリシャではすでに犬の姿が彫刻として描かれていたそうです。
時代と場所が変わり古代エジプトでは犬は死を司る動物とされていました。犬の顔を持つエジプトの神アヌビスも死を司る神様であることからもその事がわかります。
犬は神聖な動物とされ飼っている犬が死ぬと手厚く埋葬されたそうです。

古代の中国でも犬は人間には感知することの出来ないものを感じ取ることから神秘的かつ神聖な動物とされていました。古代中国でも古代エジプトと同様に犬は死を司っているとも考えられていました。

時代は移り中世のヨーロッパではネコが魔女の使い魔などとされ嫌煙されるのとは逆にイヌは魔や邪を跳ね退けて人間を守る存在として神聖視されてきたのです。

この事が関係しているのかは分かりませんが風水の世界において犬には「近づくものを跳ね退ける」力があると言われています。
幾多の方位からやって来る「邪」や「悪」を退け祓ってくれるのです。それはまさに番犬という名に恥じない力でしょう。

ですが「近づくものを跳ね退ける」と言うのは同時に「近づく(全ての)ものを跳ね退ける」ということです。
邪気はおろか良い運気や御利益すらも跳ね退けてしまいます。

このことから犬の力を風水に取り入れるためには色々と工夫が必要なのです。風水について詳しい話はまたの機会にして次は神使としての「犬」の話をしていきましょう。

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神の使いである「イヌ」と「オオカミ」

以前「山犬信仰」についてお話したことがあります。山犬つまりオオカミを神様の眷属として信仰することを言います。
秩父の三峯神社が有名ですが疾病や火難、盗難を防ぐ御利益があるとされています。しかし一番効果があるのは「狐憑き」に対してだと言われています。

そして先程お話したように犬はオオカミから分化した動物です。そんな犬を眷属として祀る風習は現在でも残っています。


弘法大師こと空海が唐に渡り真言密教を学びました。そして日本へ帰る際に「真言密教を広めるための地に落ちよ」と唱え唐から日本に向かい仏具である三鈷杵(さんこしょ)を投げました。

日本に戻った空海は三鈷杵を探して高野山に入ります。この時山の中で2匹の犬を連れた狩人に会ったそうです。するとその犬が三鈷杵のある場所まであんないしてくれたそうです。
そして空海は高野山に金剛峯寺を建立します。

この時に出会った狩人は実は丹生都比売神の子供である狩場明神だったのだそうです。そして空海は建立する際に丹生都比売神と狩場明神を高野山に勧請したのだそうです。

この事から高野山に関係する寺社には和犬の像が神様の使いとして置かれるようになったそうです。

「飼い犬に手を噛まれる」という言葉があります。ですが犬は主従関係を大切にする動物です。そんな犬が主人に牙を向けるのにはよほどの理由があるのでしょう。

犬は人間の感知出来ないものを感じ取ると言われます。その犬が牙を向けているのは本当にあなたに対してなのでしょうか。もしかするとその牙の矛先はあなたにまとわりつく「邪」なのかもしれませんね。


それでは今夜はこのあたりで。

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