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夏の暑さに打ち勝つために水から涼を得る
夏はやっぱり暑いです。夏と言えば海ですが川も良いものです。
京都市内の北部を流れる貴船川。ここには川床なるものがあります。川の上に土台を組んで床を張ったもので川の上で食事などを楽しむことが出来る場所です。市内にある鴨川でもこの川床を楽しむことが出来ます。
貴船の川床は山の中にあるのに対して鴨川の川床は市内にあります。
日差しの強い昼間は避暑もかねて貴船の川床に。日が沈む頃には夕涼みがてら鴨川の川床に。そんな風なのんびりした休みも良さそうですね。
違います。川床の話をしたいわけではないのです。
話を貴船川あたりに戻しましょう。貴船川は山の中を流れる清流です。川沿いに鎮座する貴船神社が水神を祀っているほど美しい川です。
清流は眺めていると暑さが飛んでいくように涼しさを感じさせてくれます。実際に水があるので涼しくなっていると考えたら元も子もないのですが。でも川の流れは見ているだけでどこか心が洗われる気がします。
水から涼を得るというのは昔から行われていることで「打ち水」もその一つです。
「打ち水」とは道や庭先に水を撒くことを言います。
水の気化熱により地面の熱を奪い太陽熱で上がった地表の温度を下げるというものです。
しかし打ち水の本来の目的は別にあるということをご存じでしょうか。
今回はそんな打ち水について詳しくお話ししていきましょう。
打ち水と水の持つ清めの効果
打ち水とは庭先や道に水を撒くことです。水を撒いたあとはなんだか涼しくなりますね。この事から打ち水は涼を得るだめに行うと思っているかたがいるようです。
といっても間違いではないんですよ。実際に打ち水は涼を得るために行われます。
しかし打ち水には違う意味合いがあることをご存じですか?
打ち水が持つもう一つの役目とは「場を清める」ということです。
元々は神道の中で行われる儀式の一つでした。邪や穢れを流して清める意味合いを持っているのです。
そこから庭先などに打ち水を行い客人を迎え入れる準備として広まっていきました。
水には清めの力があるとされています。
垢離(こり)という言葉を聞いたことがないでしょうか。別名は水行とも言いますが滝行のことです。
よくテレビなどでも見掛けますが頭から冷たいに滝に打たれているあれのことです。
滝行は元々神仏に祈願する前に行われるものであなたの中にある罪や穢れを洗い流すために行います。神道では禊とも言われますね。
神社に参拝する前には神社の中にある手水場で手を清めます。それもまた水により罪や穢れを洗い流すという大事な儀式の一つなのです。
ですので手水のやり方は神社を参拝する際にはしっかり覚えておきましょう。
水が持つ清めの力を借りて場を清める「打ち水」。あなたも御客を迎える際には玄関先に「打ち水」をしてみてはいかがでしょうか。
ただ嫌なお客に打ち水をしてもそのお客の罪や穢れは流れませんのでご注意を。
やはり打ち水として水の力を借りるには人を想う気持ちが大切なのでしょうから。
それでは今夜はこのあたりで。