「墓の火(はかのひ)」墓地に現れる解き放たれた炎

「墓の火」墓に現れる怪火と燃え上がる五輪塔

そろそろ本格的な夏が近づいてきました。夏と言えば海に花火に祭り。そして胆試しですね。
とは言えここ最近胆試しが行われる事も少なくなってきたのではないでしょうか。
このブログでも風鈴や逃げ水などの夏の風物詩についてお話ししてきましたが今回は胆試しについてお話ししようと思います。
ですが夜の神社や除霊について今まで何度か書いてきましたので今回はお墓で行われる胆試しとそこに現れる怪異「墓の火」にスポットを当てて書いていくことに致しましょう。

夜に行われる胆試しですがなぜ夜なのかは説明するまでもなく不気味に感じるからです。暗闇は人の恐怖を駆り立てます。それが夜に行われる理由です。
しかし夜の神社は邪や魑魅魍魎が現れる危険な場所だとお話ししたことがありますが夜の墓地はどうなのでしょうか。
日本の墓地は基本的には仏教に関わるものです。先祖を供養するために建てられたお墓がある場所です。実は供養される際に残された煩悩を滅却されますので基本的に悪いものはいません。
しかし人の手が入っていないような荒れた墓地は別です。そんな廃れた墓地に現れるのが「墓の火」という怪火なのです。

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墓場に燃える炎は解き放たれた煩悩

周りを生い茂る草木で囲まれて全く人の手が入らないような荒れた墓地に現れる怪火「墓の火」はどのようなものなのでしょうか。
人を供養する際に残った煩悩を消し去ってあげると先程話しましたが実は消し去るというよりも封じ込めると言ったほうがいいのかもしれません。
五輪塔というものをご存じでしょうか。墓地にある四角と球状に四角錐の形を石を積み上げた石塔です。
これは供養塔でこの五輪塔に悉曇(しったん)文字、サンスクリット文字つまり梵字を刻むことで供養された人たちの煩悩を封じ込めているのです。

荒れ果てた墓地にある五輪塔はいずれこの梵字が風化したり欠けたりします。すると梵字はその効果を失ってしまい五輪塔に封じられた煩悩が解き放たれるのです。
そこ煩悩が炎となり燃え上がるのが怪火「墓の火」の正体なのです。

この「墓の火」の話は今まで幾度となく紹介しております。安永8年に刊行された「今昔画図続百鬼」の晦の部に収録されています。

もしあなたが古い墓地で炎を見かけたのならそれは墓の火なのかもしれません。ですがそれは本当の火事かもしれません。そこは逃げ出さずに勇気を持って確認しに行きましょう。

それと胆試しもそうですが心霊スポット巡りに出掛ける方々も私有地には無断で立ち入らないようにしましょう。
心霊体験よりももっと恐ろしい体験をするはめになるかもしれません。

それでは今夜はこのあたりで。

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