「十六夜」への誘い 見せて魅せる様々な月の顔

月は常にこちらを見ている

夜空に浮かぶ月。変わることなく夜空には月が浮かんでいます。
いつだかお話ししたことがありますが月は常にこちらを見ています。見ていますという表現はちょっとおかしいですが月は裏側をこちらに見せてくれません。
それは月の自転周期と公転周期がほぼ同じだからです。月が地球の周りを一周しながら自らも一回転しているのです。
例えるならあなたが誰かの周りをその人の事を見ながらぐるぐる回っているのです。
つまり月は常にこちらを見ています。地球を降ってくる隕石などから守るために傷付いた背中を見せないように。

月はどこか女性的なイメージを持たれがちですがそんな風な男らしい一面も持っています。そして月は様々な占いにも使われる大切な存在です。それでは月が持ついろいろな顔についてお話ししましょう。

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月が見せて魅せるいろいろな顔

夜空に浮かぶ月は様々な顔を持っています。そして人々はそんな月を見て魅了されます。
例えば満月です。中秋の名月という言葉を良く耳にすると思いますが秋の満月を堪能する「お月見」は有名ですね。
月がいろいろな顔を見せてくれるのは太陽と月、そして我々のいる地球の位置が関係しています。
太陽の光が当たっている面が我々の目にしている月の形になるのです。月の形は月相とも呼ばれますが「月の満ち欠け」と言ったほうが一般的かもしれません。
そして月の満ち欠けにはたくさんの名前が付いています。そのいくつかを紹介していきましょう。

「朔」「暗月」

まずは太陽と地球の間に月が入った状態。つまり太陽と月と地球が一直線に並ぶ時を現代では新月と言います。朔(さく)とも呼ばれますが実はこの時には月はほとんど見えません。
ですが月の通り道「白道」と太陽の通り道「黄道」が重なった時にはその朔の月である新月の姿を見ることが出来ます。それが日食です。
後でもお話しすることになりますが昔は新月とは月の周期の中で一番はじめに見える月の事を言いました。
ですので現代の新月は古来の新月ではないのです。では昔は新月の事をなんと呼んでいたのでしょう。

朔の月はほとんど見えません。ですがそこに月はあるのです。そのため昔はこう呼ばれていました。

暗い月「暗月(あんげつ)」と。

「満月」「望月」

新月と対極を成す月の顔が満月です。これに関してはほとんど説明する必要もないでしょう。
新月が太陽、月、地球の並びなのに比べて満月は太陽、地球、月の並びになります。
そのため月は太陽の光を全面に受けて丸く輝きます。そしてそのその光は地上を照らすほどに明るく月を愛でるには絶好の時なのです。
満月には別の呼び方があります。それは「望(ぼう)」と呼ばれていてその時の月は「望月(もちづき・ぼうげつ)」と呼ばれています。
望はあまり聞き慣れないかもしれませんが「十五夜」と言えば良く耳にすると思います。

「半月」「弦月」

地球の周りを回る月ですが満月である望を角度0゚として新月の朔を角度180゚とします。
すると90゚と270゚の位置では月は半分光が当たっているように見えます。
これが俗に言う半月というもので別名「弦月(げんげつ)」と呼ばれています。上弦の月、下弦の月という言葉を聞いたことがないでしょうか。
「弓張(ゆみはり)」や「弓張月(ゆみはりづき)」とも呼ばれている半月は弓と弦に例えられています。

ここで注意すべきは上弦の月は実は下半分が輝いている月の事で下弦の月は上半分が輝いている月の事を言います。
これは輝いている部分を弓に例えているためです。そのため弧の部分が弓、光と影の境界を弦となるのです。上弦と下弦は間違えやすいので少し注意が必要です。

「三日月」

これもまた有名な月の名称の1つです。説明するするが少々難しい形をしていますが三日月のような形と言えばほとんどの方に通じると思います。
ですが本来はあのような形の月を全て三日月と呼ぶ訳ではありません。
暗月である朔から三日目の月。つまり現代でいうところの新月は本来は三日月なのです。

「十六夜(いざよい)」

望つまり満月のでる十五夜の次の日に出る月の事です。満月よりも少し影が増えた形で口では言い表せません。しかし満月や半月に三日月と比べると特にインパクトもないただの月です。
ではなぜ十六夜という名が付けられているのでしょうか。
十五夜から数日間は日没のすぐ後に月を見ることが出来ます。そこから朔にかけて月が出る時間帯がどんどんと遅くなっていくのです。
ちなみに十六夜(いざよい)とは「なかなか進まない」という意味を持つ言葉です。
月の出ている時間が長いこの夜は月がゆっくりと進んでいるように見えたのかもしれません。

話は少し変わりますが世間の給料日は20日から月末にかけてだと思います。月の半ばを過ぎた16日あたりは給料日を待ちわびて日が長く感じられるのかもしれません。昔の人の給料日も月末だったらの話ですけどね。

月の出ない日もあるんですよ

夜空に浮かぶ月ですがその月が出ない日があります。
朔を基準とした月の周期を月齢と言います。そして昔使われていた旧暦という暦。
月の出の回数で進む月齢と太陽の出で刻む旧暦には実はズレがあります。
月の出は毎日遅れます。その遅れのために午前0時には既に月が出ていて次の日の午前0時以降に月の出がある場合はその日は月が見えない訳ではないですが月の出がないのです。

月が空にない日はありません。月はずっと地球を見て夜を照らしてくれているのです。
人々が月を見て魅せられているように。

それでは今夜はこのあたりで。

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