「モリガン」「マッハ」「ネヴァン」戦いを司る三人の女神

戦いの地に舞い降りるは戦闘を司る三姉妹

人類は古来から様々な時代、様々な場所で戦いを繰り返してきました。

ヨーロッパのケルト民族に伝わるケルト神話にはその戦いの場に舞い降りる三人の女神が描かれています。

彼女達はそれぞれ「モリガン」「マッハ」「ネヴァン」と呼ばれ戦いにいろいろな影響を与えるのです。

数ある神話には三人で一つとされる神や女神が描かれていることが多いのですが今回はケルト神話の三人の戦女神についてお話ししましょう。

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「モリガン」その二本の槍は戦いを勝利へと導く

ケルト神話における戦いの三女神。その長女にあたるのが「モリガン」です。
「モーリアン」「モリグー」とも呼ばれ北アイルランドでは戦いに勝利をもたらす女神とされています。

名前の由来は「夢に現れる魔の女王」といった意味合いから来ているそうなのですが次第にその意味合いも変わってきているそうです。
普段は老婆や美しい女性の姿をしていますが戦場に赴く際はカンムリ烏に姿を変えて上空を舞うそうです。

自らが戦闘に参加する際には灰色の長髪に鎧と灰色のマントを纏い赤いドレスを着た女性の姿に変わります。
そしてその両手には二本の槍を携えて赤い二頭の馬がひく戦車に乗り戦場を駆けます。

権力や支配力の権化とされているモリガンは予知や魔術を使って勝敗を自由に支配します。
そしてモリガンに見初められその愛を受け入れた者は彼女の助けを受けることが出来るのです。

「マッハ」戦いに怒りと狂気をもたらす

ケルト神話の戦いの三女神。その次女が赤毛の女神「マッハ」です。古代アイルランド語では「ヴァハ」と呼ばれます。ヴァハとは怒りや戦という意味を持ち彼女は戦いや支配を司ります。

彼女の戦闘手段は魔法のみで肉弾戦や接近戦ではまず戦うことはありません。
赤いドレスに赤い髪、そして赤いマントをひるがえしマッハは戦場を駆けます。彼女が乗るのは長女モリガンと同じように赤い馬がひく戦車ですが少し違うのはマッハの戦車をひく馬が一本足だということです。

戦場を駆けるその赤き女神は戦場に狂気を振り撒くのです。

「ネヴァン」その歌声は戦士たちを狂乱へと陥れる

ケルト神話の戦女神の三女「ネヴァン」。「毒のある女」という意味の名を持つ戦女神ネヴァンは一体どんな毒を持っているのでしょう。
ネヴァンには別の名もあります。古代アイルランド語では彼女のことをバズヴと呼びますがこの名が持つのはカラスや魔女といった意味です。

その名の通りネヴァンはワタリガラスの姿で戦場を駆けます。飛び回ると言ったほうがいいでしょうか。
その時彼女は言葉では言い表せないほど恐ろしい声をあげるのです。
その声が与える恐怖は戦場にいる敵の戦士達に狂乱と混乱を与えます。そして戦士達は仲違いして味方同士で争いを始めるのです。

戦女神の三姉妹 支配と狂気と狂乱と

戦いを勝利を導くケルト神話の戦女神の三姉妹。
支配のモリガン、狂気のマッハに狂乱のネヴァン。
味方を導き勝利を手にするのではなく敵を貶めて勝利へと導く彼女達は女神と言えど恐ろしい存在なのかもしれません。

絶対的な勝利を与えてくれる彼女達ですが出来ることならこの三姉妹が活躍するような場が訪れないことを願います。

それでは今夜はこのあたりで。

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