「化け狸」狸(たぬき)の可愛さに騙されないで

「狸(たぬき)と化け狸」丸くて可愛いイタズラ好き

ある日家に帰ると一枚の紙がドアに挟んでありました。差出人は書いてありません。それどころかよく分からない内容です。
そして手紙にはこのように書かれていました。

「樽足す他の用で足すの出たの知多歩道鷹がいます」

なんでしょう。全く意味が分かりません。一体だれがこんなことをしたのでしょう。そんなことをする相手すら全く思い浮かばないのです。
この紙に書かれているのはきっとどうでもいいことなんだと自分に言い聞かせて眠ろうと思いました。ですが一体誰がこんなことをしたのか。この文に何か今があるのかと考えているうちに
外は明るくなってきました。
そしてその夜は一睡も出来ませんでした。
たちの悪いイタズラなんだろうと思った時にあるイタズラ好きなあの子の姿が頭に浮かんだのです。
そしてそのイタズラ好きこそがこの意味不明な文を読み解く鍵だったのです。

ということで今回は丸っこくて可愛いイタズラ好きな狸(たぬき)のお話です。

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化け狸ってどんな狸なの?

狸と聞くと丸っこくてコロコロしたイメージを持つかたが多いと思います。アニメに描かれていたり信楽焼の置物でも有名なあの姿ですね。
実際の狸も丸くて可愛い姿なのですがそれは一時的なものです。
猫などの他の動物同様に狸も季節によって毛が生え変わります。
冬場は寒さから身を守るために毛が長くなり丸々としていますが夏場には暑さのためにほっそりとした感じになってしまいます。夏場の狸は人によっては怖い感じがするかもしれませんね。

狐よりも狸の方が人を化かすのがうまいらしい
これまでにも何度か狐の話をしてきました。狐は人を化かすのがうまいというのは聞いたことがあるでしょう。狸も狐と同様に人を化かすのがうまい動物です。
しかも「狐七化け狸八化け」という言葉があるのですがこの言葉通り狸のほうが人を化かすのがうまいと言われています。
しかしご安心を。狐が人を化かすのは道に迷わせるなどの窮地に陥れるためと言われています。ですが狸は人をおちょくって楽しむために化かすと言われています。

徳島県には人を化かす化け狸の話がいくつかあるので紹介しましょう。

・「小僧狸(こぞうだぬき)」
道を歩いていると突然子供が現れて通行人をおちょくってきます。通行人が怒って子供を叩くと分裂します。そして叩く度にどんどん増殖し続けるというものです。
・「兎狸(うさぎだぬき)」
狩人が丘でゆっくりと走る兎を見付けて追いかけると実はそれは兎に化けた狸なのです。追い付いたと思っても早く走り出したり姿を消したりして何度も何度も追いかけまわすはめになるという話です。

この他にも化け狸の話はあり特に徳島県に多いのですがどれも怖いというより滑稽な描写で語られているものが多いです。
徳島県では昔から狸は煙たがられながらも可愛がられていたのかもしれませんね。
化け狸の話とは変わりますが狸は古来から森羅万象を司る存在とされていました。それがいつから滑稽なイメージを持たれるようになったのかは分かりませんが狸は思っているよりも人とは親しい存在なんでしょう。

死が二人を別つまで

ひょうきんで滑稽、のんびりしていて怠け者。
そんなイメージを持たれやすい狸ですが実はかなり一途です。
狸もいつかは恋に落ちます。そして狸は一度ペアになるとどちらかが死ぬまで共に行動し続けます。
ペットを飼っている方なら分かると思いますがどんなペットもそれぞれが持つ動物の習性は同じですが性格は様々です。
狸も人間と同じように性格の不一致など日常茶飯事でしょう。そんな中でも生涯ペアを崩さないというのは余程我慢強いか人を見る目ではなく狸を見る目を持っているのでしょう。
あなたの周りにも普段からちゃらんぽらんな事をしている人もいるでしょう。
もしかするとそんな人のほうが周りや物事の本質をしっかり見ているのかもしれませんね。
それでは今夜はこのあたりで。

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