繊維とは
繊維ってよく聞きますがいったい何なんでしょう?繊維とは植物などから取れる細くしなやかなもの。服とかロープなんかを作る材料ですね。繊維には天然のものと合成のもの、そしてそれらを混合させたものがあります。
天然繊維
天然繊維とはどんなものがあるのでしょう?天然という名だけあって自然から取れるもので化学的な加工を施されていないものを指します。天然繊維には動物性と植物性に鉱物性あとは食物性に分けられています。
動物性繊維
動物性繊維とは動物の毛などから取れる繊維で羊から取れる羊毛(ウール)、蚕から取れる絹(シルク)に最近よく聞くアンゴラウサギから取れるアンゴラなどがあります。
これを織って衣類を作るのが一般的です。主成分は蛋白質のため火に弱く虫などの被害も受けやすいです。
植物性繊維
植物性繊維とは名前のまま植物から採取される繊維のこと。代表的なものは綿や麻。これもまた糸から布を作り衣類として利用されています。
植物性繊維の主成分はセルロースで水との親和性が高く吸湿性に優れている。上記の動物性繊維と違い撥水性が低いため防寒着などには不向きなのも特徴。
鉱物性繊維
石綿のこと。読み方はセキメンやイシワタ、アスベストと呼ばれる。一昔前までは建築材料として使われていたが肺がんや中皮腫の要因となるため現在では殆ど使われることはない。
蛇紋石や角閃石から生成される繊維で大変火に強いため防火剤や断熱材に使われてきた。
食物性繊維
食物性繊維は主に植物や藻類、菌類の細胞壁を作っている成分で人の消化酵素で消化出来ない繊維。腸内細菌の力によって分解されてエネルギー源に変換される。
水溶性と不水溶性に分けられる。コレステロールや血糖値の上昇を抑えたり体内の毒素を排出したりする効果がある。
合成繊維
化学的な反応などを使い人工的に生成された繊維。高分子有機化合物や金属、ガラスを使って作られるもので非常に種類が多い。今回はその中の幾つかを紹介します。
合成繊維
いわゆる高分子から作られる繊維で主原料は石油。ナイロン、アクリルにポリエステルが主だったもので高い撥水性を持つ。雨具や釣り糸などに使用されている。
ガラス繊維
グラスファイバーとも呼ばれるガラスを溶かして繊維状にしたもの。使われるガラスは主に石英ガラスでFRPなどに使われている。
炭素繊維
アクリル繊維や石炭石油を高温で炭化させて作る繊維でいろいろなものに混ぜて強度を上げたりするのに使われる。車のボディ、釣り竿やゴルフクラブなどにも使われておりとにかく軽くて強いのが特徴。
犯罪捜査での繊維分析
前記事で指紋鑑定についてお話しましたが
繊維にはそれぞれ特徴があるのはもちろん素材が同じでも色や形に直径、輝き、ねじれなどは繊維一本一本で違ってきます。溶解点や溶解度の違いからも繊維の種類を調べることは出来ますし顕微分光測光法や薄層クロマトグラフィーを使ったり繊維を通る光の輝きを調べる複屈折など事件や事故が起きた際に現場に残された繊維が解決の糸口になることも多くあります。
最近では腸内細菌のコロニーが人それぞれ違うことが発見され指紋と同じように犯罪捜査に役立てられるかもという話を読みましたがそれはまた別に機会にお話させていただきます。