不老不死の夢とその研究
夏と言えば海や川ですが水には様々な生物が住んでいます。淡水には「ヒドラ」という無脊椎動物がいます。少し前の話ですがアメリカの研究機関がこの「ヒドラ」は全く老化することがなく「不老不死」であることが証明されました。
人の夢と言っても過言ではない「不老不死」は古来より研究が続けられてきました。
錬金術においても「賢者の石」として不老不死が研究されきました。中国でも「仙桃(せんとう)」や「大歳(たいさい)」といった口にすると不老不死の力を手にすることが出来ると言われているものも記されています。
大歳については最近中国で発見され話題になっていましたがもしかするとニュースなどで見かけた方もいらっしゃるかもしれません。
いずれにしても人類は古来より永遠の命「不老不死」を追い求めてきたのです。
アダムとイブと生命の木の実
創世記はキリスト教などの教典に記されている神がこの世界を創るまでが書かれたものです。
その中に「アダムとイブ(エバ)」についての話が記されています。
エデンと呼ばれる楽園がありそこにはたくさんの種類の木がありました。そしてその中央には「善悪の知識の木」と「生命の木」がありました。
そして神は初めて創った人間「アダム」をエデンに住まわせます。ですがこの時アダムに「善悪の知識の木と生命の木には近づいてはいけない」と伝えました。
その後神はエデンに「イブ」を創りました。ある時一匹の蛇がイブをそそのかし「善悪の知識の木の実」を食べさせました。そしてイブはアダムにその木の実を勧めます。
そして善悪の知識の木の実を食べたことが神にばれてしまい2人はエデンを追放されました。
よく聞く「禁断の果実」とはこの「善悪の知識の木の実」のことです。
ここまでの話を読むと神様の言い付けを守らなかったために楽園を追放されたように感じると思います。
もちろんそれも理由の一つかもしれません。ですが神様が2人を追放した理由は他にもあります。
「善悪の知識の木」とは別にある「生命の木」です。この生命の木の実を食べると永遠の命を得ることが出来ます。
この2つの木の実を食べることにより神に等しい存在になることが出来るのです。神は自らが創りあげた人間という存在が自分と等しい存在になることをおそれ楽園から追放したのです。
実際に神はこの事件の後に「生命の木」をエデンの東に移動しました。その木を守るためにケルヴィムという天使を配置するまでに生命の木の実を食べられることをおそれたのです。
永遠の命を得るとしたらその代償はなんなのか
「善悪の知識の木の実」と「生命の木の実」があります。人間はそのうち片方をもう口にしました。
あと残されたのは永遠の命「不老不死」を得ることが出来る「生命の木の実」です。一体どんな形なのかどんな味なのかもわかりません。もしかすると形すらないものなのかもしれません。
ですが人類は少しずつですが生命の木に近付いているような気がします。
いつか人類が生命の木にたどり着きその木の実を口にしたとき人類はどうなるのでしょうか。
アダムとイブのようにこの世界を追放されてしまうのでしょうか。むしろ追放だけで済むのでしょうか。
こう考えてみてはどうでしょうか。この世界で毎日を楽しく生きていつも何かを見出だすような充実した人生。それはまるで楽園のようでしょう。
ですがそれが永遠に続くとしたらいつか楽しみにも飽き新たなものもなくなってしまう。そして空っぽの永遠が続いていく。
これはある意味楽園からの追放なのかもしれません。
今日を生きることで明日を見つける。楽園は自分で創りだすものなのかもしれません。たとえ永遠に続くものでないとしても。
それでは今日はこのあたりで。