恐怖させ恐怖する真夏の夜 なぜ暗闇に恐怖を覚えるのか

暑い夏の夜には肝試しで涼んでみよう

響き渡る絶叫に逃げ惑う人々の姿。今年も肝試しの季節がやってきました。

肝試しは平安時代にはすでに行われていたようです。暑い夏の夜に恐怖で涼を得るというその文化は現在も脈々と受け継がれています。

キャンプは合宿など催すされるこの肝試しですがルートを決めて安全が確保されていてもやっぱり怖いものです。

そんな肝試しですが行う場所は不気味で不安を煽る場所が最適です。しかし持ち主が分からないような廃墟や山林とは言え勝手に私有地に入ってはいけません。そこにあるものを壊したりするなどはもっての他です。

肝試しを行う際には場所をしっかり選定して行うようにしましょう。

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肝試しはなぜ夜暗くなってから行うのか

平安時代より続く伝統文化である肝試しですがなぜ夜間に暗くなってから行うのでしょうか。

答えは簡単です。明るい昼間にやっても怖くないからです。

昼間に深い森の中でポツンとある小さく苔むした祠を想像してみてください。不気味に怖く感じる人もいるでしょう。ですが木漏れ日の差すなかに鎮座する祠はどこか神聖さも感じます。

ところが一転して夜になるとどうでしょう。聞こえるのはフクロウの鳴き声と木々が風でざわめく音だけです。

暗闇の中で手に持った懐中電灯の光に照らし出される祠は不気味としか言いようがありません。祠だけでなく別のものまで見えてしまいそうです。

これが肝試しを暗い中で行う一番の理由でしょう。ではなぜ人は暗闇を怖がるのでしょうか。

暗さと狭さに高さ 人の恐怖と本能

人にはそれぞれ苦手なものがありますが苦手以上に恐怖すら覚えるものがあります。

それを恐怖症と呼びますが対象は人によって様々です。高い所が怖いという「高所恐怖症」に狭い所がダメな「狭所恐怖症」または尖ったものを直視できない「先端恐怖症」などがあります。

人によってその度合いも違ってきますし複数の恐怖症を持った方もいるでしょう。

これら恐怖症は危機を回避するための本能から来ているのではないかと思うのです。そして今回注目したいのは暗い場所に恐怖を感じる「暗所恐怖症」です。

夜照明を全て消して真っ暗にすると眠れないというかたがいらっしゃいますがこれも軽度の暗所恐怖症なのではないでしょうか。

恐怖症は主に人間の本能から来ているんじゃないかと話しました。高い場所や尖ったものは命を落とす危険のあるものです。

「夜目(よめ)がきく」という言葉はありますが人間は基本鳥目です。暗闇ではなかなか物が見えません。夜行性で暗闇でも目の見える動物からしたらかっこうの獲物でしょう。

この暗所恐怖症も動物の持つ危険回避の本能から来ているのでしょう。

しかし本当にそれだけなのでしょうか。「逢魔時(おうまがとき)」の記事にも書きましたが夜は得たいの知れないものが溢れてくる時だと言われています。人間には想像する力があります。その悪い何かは人間の想像上のものなのかあるいは実際に存在し現在へと語り継がれているのかは分かりません。

ですが古来より人を襲うような動物ではなくそういった悪い何かがやってくる暗闇をいつしか恐怖するようになったのではないでしょうか。

もしかすると暗闇でたたずむあなたの前にも目に見えない何かが居るかもしれません。闇はもしかすると怖いものなのではなく見てはいけないものをあなたの目から消してくれている存在なのかもしれませんね。

それでは今夜はこのあたりで。

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