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件(くだん)と呼ばれる予言者
「なんだか嫌な予感がする」
「あの人に連絡しなければいけない気がする」
人は時になんとも言い様のない不安感に陥り何か行動を起こさなければいけない気持ちになるときがあります。
「虫の知らせ」と呼ばれていますがこれは人の中にいる虫が危険を知らせてくれているのだそうです。
この虫の話は以前もお話しましたが今回は人の中にいるものでもなく人でもない予言者のお話です。
その予言者は「件(くだん)」と呼ばれるもので「人と牛」という漢字が示す通り半人半牛の姿をしていると言われています。件は牛から産まれて人間の言葉を話しますが寿命はとても短く数日しかないそうです。
しかし件はその短い生涯の中でいろいろな予言をします。ですが予言と言っても内容は疫病の流布や作物の不作などの「自然災害」、戦争などの「人的災害」といった悪い事が起こる予言しかしません。
そして件の予言は必ず当たります。ですがその予言した事が起こると件は生涯を閉じてしまうのだそうです。
人を守る人であらざるもの
いくつもの目撃例があり凶事を教えてくれる件(くだん)ですが何故件は凶事を教えてくれるのでしょうか。
件が神の使いだとしたらどうでしょう。日本には八百万(やおよろず)の神という言葉があるくらいたくさんの神様がいます。
その姿はきっと様々でしょう。動物の姿をした神様もいるのですから半人半牛の姿をした神様が居てもおかしくはありません。
件は人々を凶事から守るために予言を伝えに現れたのでしょう。実際に地域によっては人件の姿が描かれた護符が使われていたりもします。
ですが初めて件を目にした人は一体どう思ったのでしょう。人であらざる姿で人の言葉を話す件はとても怖い存在だったに違いありません。
件からしてみれば助けようと思った人間に怖がられるのはとても悲しかったと思います。ですが件は人間を何度も救おうとしました。
その気持ちがいつか人間に伝わり護符としても描かれるようになったのでしょう。
人の信頼を得るのは大変な事です。信頼を得るにはしっかりとした想いとそれを長く持ち続けることが大切なのです。
初めから物事の本質を見抜ける人はそうはいません。まずは物事を外側から見るのが普通だと思います。あなたに何か伝えたい想いがあるのなら諦めずにその想いを持ち続けることが大切なのではないでしょうか。
人を想う強い気持ちを持つ件に一度くらいは会ってみたいですが凶事を予言し必ず当てる件。出来れば現れて欲しくないのも本心です。
それでは今夜はこのあたりで。