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水信仰について
普段生活していて水を使わない日はないでしょう。飲み水に料理、体や手を洗うなど水は生活に欠かせないものです。日本人は古くから水に対して敬意をはらい生きてきました。
現在では水道の普及により蛇口をひねれば水が出てきます。水道が普及していない時代には水は河川や井戸から汲み上げ使われてきました。そして水は生活を潤してくれるものですがその反面病気を運んできたり洪水などの水害を引き起こすなど被害のもとでもありました。
そこで人々は井戸の近くや氾濫しやすい川のほとりに祠や社を建て水神などを祀ったのです。
日本はかねてより農耕を生活の軸にしてきました。田畑のためにも水は欠かせないものですので田んぼのあぜ道や用水路の近くにも祠や社を見掛けますがこちらもまた水神が祀られています。
水を守ることで人を守る水神
水辺の近くに祀られている水神ですがいったどのようなものなのでしょう。姿は蛇や龍で描かれることが多いですがその水神の中に闇龗神(くらおかみのかみ)と呼ばれる水神様が居ます。
この闇龗神は龍の姿をしており谷間の水を守ると言われています。谷間というと分かりにくかもしれませんが盆地や山の裾野を意味します。つまり日本の平野部分の水を守るのが闇龗神なのです。
闇龗神には対になる神様がいます。それが高龗神(たかおかみのかみ)と呼ばれる水神様です。高龗神も同様に龍の姿をしていますがこの神様は山の水を守っています。山と谷で一対の水神様となっているのです。
高龗神の祀っている神社で有名なものは京都の貴船神社でしょうか。山間に鎮座していますが周りを綺麗な山林と川で囲まれています。
余談ですが貴船神社には水おみくじというものがあります。とてもめずらしいおみくじですので機会があるかたは一度足を運んでみてはどうでしょうか。
さて、ここまでお話しましたが水にまつわるものを崇め敬うことはあっても水そのものを信仰するという考え方はありませんでした。
水は人間の中に自然と存在するものです。あまりに身近すぎていつかその大切を忘れないように水神様はいるのかもしれません。
それでは今夜はこのあたりで。