「赤」と「白」が織り成す縁起物「紅白」はなぜおめでたいのか

おめでたい組み合わせ「紅白」について考えてみよう

色の組み合わせとは多種多様なものです。
非常口などの誘導灯は緑と白。パトカーの色は黒と白。理容室にあるクルクル回るアレは赤と青と白など世の中にはたくさんの色の組み合わせがあります。

そのたくさんある組み合わせの中で赤と白の組み合わせ、つまり「紅白」と呼ばれる組み合わせはいろんな場面で使われています。
まんじゅうにお餅に歌合戦など皆さんもよく耳にするでしょう。

そしてこの「紅白」の組み合わせは大変お目出度いものとされています。
結婚式や長寿などの祝い事やお祭りなどでも使われることが多いです。
それではなぜ赤と白の組み合わせ「紅白」はおめでたいとされているのかを今までにない切り口で考えていこうと思います。

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なぜ紅白はおめでたいとされるのか

まず紅白と聞いて何割かの方は紅白幕を思い浮かべたのではないでしょうか。
お祭りの他に入学式や卒業式で会場に張られる赤と白の並んだ幕ですね。
おめでたい場面で使われる紅白幕ですがこのような幕には他の色の組み合わせもあります。

一般的にお通夜やお葬式などの弔い事で使われる白と黒の組み合わせの白黒幕。こちらは鯨幕とも呼ばれます。

他にも神に通ずる色とされ神事で使われる浅黄幕と呼ばれる青と白の幕なとがあります。

ただ古来弔い事も祝い事も同じように白と黒の鯨幕を使っていたそうなのですがいつしか紅白の幕が使われるようになったそうです。

そしてこの紅白がおめでたいとされる由来は諸説あるそうです。

「赤」が「生」を表し「白」が「死」を表すとされ人の一生を表すのだという説もその1つだそうです。

そして「紅白」にはおめでたいという意味合いだけではなく相対する、敵対すると意味でもつかわれます。
これは平安末期に起こった治承・寿永の乱。俗にいう「源平合戦」において両陣営が掲げたのが「赤旗」と「白旗」だったことに由来するという説もあります。

さて今回は紅白がおめでたいとされる由来を考えるので相対するという意味合いの由来とされる源平合戦のお話は関係ないように思われるかもしれません。
ですが普通ではない切り口で考えるとなるとこの源平合戦が意外な鍵になるのかもしれないと考えたのです。

「四神」と「鬼門」と「裏鬼門」陰陽五行においての「紅白」とは

おめでたいとされる紅白。その由来は一体どこにあるのでしょうか。
実は先程も話したように古来弔い事だけではなく祝い事にも鯨幕が使われていて「紅白」という組み合わせの歴史は浅いとされています。

ただ相対するという意味合いでの紅白の由来は源平合戦だとされています。
源平合戦は平安時代末期の出来事です。

そういえば先程書き忘れましたが「紅白幕」が使われる場面が他にもありました。
それは家などを建てる際に執り行われる「地鎮祭」です。

平安末期と地鎮祭。この二つに関係するのは「陰陽道」です。
平安末期にはまだ陰陽師が官職として配置されていました。
そして現在では主に神主が執り行う地鎮祭は実は元々陰陽師が執り行っていたのです。

この事からもしかすると「紅白」という色も陰陽道に関係あるのではないかという考えに至ったのです。

「風水」と「陰陽五行」における方角と色の関係

陰陽五行説は今までに何度かお話しして来ましたが簡単に説明しますと陰陽五行における方角には色があります。

これは風水における四神の配置とそこにあてられる色と同じになっています。
風水では

「北、玄武、黒」
「東、青龍、青」
「南、朱雀、朱」
「西、白虎、白」
「中央、黄龍(麒麟)、黄」

となっています。

これが陰陽五行になると

「北、水、黒」
「東、木、青」
「南、火、赤」
「西、金、白」
「中央、土、黄」

少々見にくいですがこのような配置になっています。

そして風水や陰陽五行には鬼門と呼ばれる方角があり悪いことや邪がやってくる凶方だとされているのです。

日吉大社に祀られる魔猿(去る)

さて、ちょっと話はずれますが滋賀県大津市にある「日吉大社」を御存じでしょうか。
この日吉大社の神様の眷属して猿が祀られています。
それでは何故猿なのでしょう?
それはこの日吉大社が建立された場所は平安京つまり京都から見て鬼門つまり北東にあたるからなのです。

北東である鬼門に対して南西の方角は裏鬼門と呼ばれます。
陰陽道では暦と干支を組み合わせるのですが干支を方角にも当てはめます。
この時に京都の裏鬼門にあたる位置にある干支が申(猿)なのです。
このため鬼門に猿(魔去る)を祀ることで京都に流れてくる邪の気を防ぐのです。

それでは話を戻しましょう。

「紅白」元々おめでたいものではなく魔除けや厄除けの意味合いでつかわれていたのではないか

北東である鬼門から流れてくる悪いものを防ぐために裏鬼門の力を借りる。
つまり南西にあたるものを配置するのです。

先程の陰陽五行における方角と色の関係を思い出してみましょう。

まずは「南の赤」そして「西の白」。これで赤と白つまり「紅白」が揃いましたね。

これが紅白が生まれた由来なのではないかと考えた結果です。

つまりおめでたい場面で使われる紅白という色は実は元々はおめでたいという意味合いではなくその場所に邪悪な流れが入ってこないようにするために使われていたのではないでしょうか。

そして祝い事などで使われる内に紅白自体がおめでたい色だというふうに変わっていったのではないかというのが結論です。

となると神事に使われる浅黄幕の青と白は東と西を表します。
ということは……….

それでは今夜はこのあたりで。

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