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「カワウソ」と「獺」のお話
夏も到来するということで水に関係する動物のお話でもしようと思います。
「獺(かわうそ)」は水辺に住む哺乳類でとても泳ぎが得意です。カワウソと言っても種類は結構多くて実はラッコもその仲間なのです。
言われてみるとどこか顔の形や表情が似ている気がしますね。
あまりじっくりとカワウソの顔を見たことのある方はいないかもしれませんがカワウソはものすごく可愛らしい顔をしています。
しかもその表情はコロコロと変わるんです。楽しそうにしていたりふてぶてしかったりとまるで猫のようです。ちなみにカワウソはネコ目の動物なんですよ。
しかし残念ながら日本ではあまりお目にかかることがありません。そのことについてはまた後でお話しようと思います。
さて、そんな愛らしいカワウソなんですが実は妖怪、怪異としての一面を持っているのをご存じでしょうか。
安永5年つまり1776年に刊行された「画図百鬼夜行」の前篇陰にその姿が描かれています。
それでは可愛いカワウソが裏に持つ恐ろしい伝説を紹介しましょう。
美女に化ける怪異「獺(かわうそ)」
日本の伝承ではカワウソは狐や狸のように人を化かすものだと考えられていました。
ただカワウソが人を化かすという記述は江戸時代より残る文献にいくつか残されているのですがそのほとんどが獺は美女に変化して人を化かすというものです。
この伝承は主に石川県にまつわるものが多いのが特徴です。広島県に残る伝説の中では獺はお坊さんの姿の化けて人を襲ったともされています。
現在の青森県に残るものではカワウソは憑き物の一種だとされていて憑かれると魂を抜かれたように生気を失うそうです。
そして獺は河童と同類だという考えが日本各地にあり獺が長く生きるといずれ河童になるという伝承もあるのです。
さて、先程日本ではあまりお目にかかれないと書きましたがそれはかつて日本に生息していたニホンカワウソが絶滅してしまったからです。
2012年に正式に前が発表されたのですが愛媛県だけは違います。愛媛県では絶滅ではなく絶滅危惧種として扱われているのです。
先程お話ししましたが四国でも獺は河童の一種だという伝承が残っています。もちろん愛媛県でも同じでしょう。
もしかするとまだ愛媛県にはニホンカワウソがいるのかもしれません。ですがそこに現れたのは「カワウソ」なのでしょうか?それとも「獺」なのでしょうか?
その真意を知りたいものの追求はしないでもらいたい。そんな風に感じる暑い昼下がりでした。
それでは今日はこのあたりで。