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「古戦場火」戦場に現れる兵士の怨念達
現在日本国内で内乱や合戦が行われることはまずないでしょう。ですが歴史を振り返ると日本でも幾度となく合戦が繰り返されてきました。かつてその合戦が行われた場所は古戦場と呼ばれています。
古戦場は全国各地にありますが例を挙げるなら東京では粟の須や廿里(とどり)、愛知県の浮野や長久手に長野県の川中島でしょうか。
今回はこの古戦場に現れる兵士達の怨念についてお話ししようと思います。
現世に残る怨念達はよく火へと姿を変えて現れます。この中でも古戦場に現れる怪火のことを「古戦場火(こせんじょうび)」と呼びます。
古戦場火の特徴としては人魂などはほとんどが単体で現れるのに対して古戦場火は集団で現れるのです。
兵士達や馬などの動物の怨念すらも怪火となって自分達が命を落とした戦場をさ迷い続けるのです。
この話は鳥山石燕が安永の時代に刊行した「今昔画図続百鬼」の晦の部に収録されています。他にも江戸時代に書かれた怪談を集めた書物「宿直草(とのいぐさ)」にも戦場に現れる火として描かれています。
ただ古戦場火は怨念の塊だとは言え他の怪火とは違い生 者に危害をくわえるようなことはないそうです。
古戦場に漂う怨念とその正体
戦場に今の残る兵士や動物の怨念達。それが怪火となって現れるのが古戦場火です。
特に人に危害を加えることはなくフラフラと宙を漂う怪火の集団ですが死者の血液が地面に染み込んでそこから炎が発生すると言われています。中には自分の首を探し回る首のない兵士の姿も目撃されたという話もあるそうです。
さて、地面に染み込んだ死者の血液から古戦場火が生まれると言いましたが一説には遺体から地面に染み出たリンが雨などの水と反応して起こる現象だとも言われています。ほかにも球電現象や湿地や沼地の可燃性ガスやプラズマといった原因も考えられています。
オカルト好きには朗報、怖がりな人には悲報になるかもしれませんが人体や動物に含まれているリンは化学反応で発光することはありません。さらにいろいろな説が出ているのにも関わらず決定的な実証は出来ていないのです。
全国的にみて古戦場の近くに住んでいる人は少ないでしょうが人魂は場所を選ばず出現します。
あなたがもし人魂を見たのならそこには何かが埋まって…いえ、何かの怨念が渦巻いているのかもしれませんね。
それでは今夜はこのあたりで。