鷽(うそ)替えの神事と天神様の使い

鷽替えの神事は辛いことや嫌なことを嘘に替える

「嘘でしょ?」「嘘だと言ってくれ」などの台詞は時折耳にしますが実際に生活していて嘘なら良いのにと思う場面は結構思い当たるのではないでしょうか。
起こってしまったことはもう変えられない。そう思っている方も多いでしょう。
ですがそんな災厄や悪いことを嘘に替えてくれる。そんな方法があるのを知っていますか?
それが「鷽(うそ)替え」という神事なのです。

古来より大宰府天満宮で一月七日に行われてきたこの神事は「嘘」と鳥の「鷽(うそ)」をかけたものです。
木彫りの鷽の像を交換し合う神事で前の年に起きた悪いことや嫌なことを嘘に替えてその年が良い年になるように祈る行事です。
そして時代の流れと共に大宰府天満宮だけではなく菅原道真を祭神としている他の天満宮や天神社でも行われるようになったのです。

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天神様の使いである鷽(うそ)とはどんな鳥なのか

大宰府天満宮をはじめとする天神様。その天神様の御使いとされている鷽とはどんな鳥なのでしょうか。
鷽と言われてもなかなかどんな鳥なのか思い浮かばない人が多いと思います。
鷽とはスズメ目の鳥で体長約15cmほどでスズメよりも少し大きいです。翼の色は黒く背中は青みがかった灰色をしています。
雄の頬と喉は桃色に染まっています。これが雄の一番の特徴でしょうか。
雌は別名「雨鷽(あめうそ)」と呼ばれていて雄の別名は「照鷽(てりうそ)」と言います。人は恥ずかしい時に顔が紅潮し赤くなりますが照鷽の由来は紅潮した顔のように桃色に染まった頬と喉なのかもしれません。

鷽はか細く悲しげな感じの鳴き声なのですが囀ずる際はさらに寂しくか細く囀ずります。囀ずる際に鷽は左右の足を交互に上げるのですがこの動作から来るもうひとつの呼び名があります。
それが「弾琴鳥(ことひきどり)」です。なんとも気品のある呼び名でしょうか。か細い鳴き声に琴を弾くような可愛い仕草を持つこの鷽の姿を縁側にでも座って眺めたいものです。
今回は鷽替えの神事と嘘についてお話ししましたが鷽替えの神事によって嘘に替わるのは身に降りかかった災厄や凶事です。
自らが起こした悪事については嘘には替わらないのでご注意を。「因果応報」という言葉にあるように悪いことはなんらかの形で自分に返ってきます。悪事ははたらかないのが一番なのでしょう。

それでは今夜はこのあたりで。

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