「タリエシン」神話にも登場する実在の吟遊詩人

「タリエシン」王ですら魅了させた吟遊詩人

歌は人の様々な感情に語りかけてきます。時に気持ちを高揚させて時に気持ちを穏やかにしてくれます。中には悲しい思い出が甦ってくるという方もいらっしゃるでしょう。
アーティストや歌手と呼ばれる人々が作る歌詞に聞く者は共感を覚えます。そしてその歌声に心酔するのです。
歌手と呼ばれる人々はかなり昔から存在します。

今回お話しするのは今から1400年ほど前に現れた歌手のお話です。
当時の言い方ですと歌手ではなく吟遊詩人といったほうが良いでしょう。
その吟遊詩人のは「タリエシン」と言います。
彼はカンブリア生まれで今でいうところのグレートブリテン島にあたる場所でブリテンの王に宮殿に招かれて歌を披露したそうです。

タリエシンは予知能力もあったと言われていて当時の王の死に様を予言したという伝説も残っています。タリエシンの伝説はそれだけではなくかの有名なアーサー王の仲間であったという記述も残っています。

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ケルト神話にも綴られたタリエシンの出生

カンブリア生まれとお話ししましたがタリエシンの出生にはもうひとつの伝説があります。伝説というのは少々おかしいかもしれませんがタリエシンの出生の話がケルト神話に綴られているのです。

ケルト神話にはグウィオン・バハという小人が登場します。グウィオン・バハは魔女であり月の女神であり冥界の女神ケリドウェンに仕える召し使いとして生まれました。ケリドウェンはある秘薬を作っていました。その秘薬は「知恵」「霊感」「学問」を身に付けられるものです。その薬を作るためには一年と一日の間釜をかき混ぜ続けなければいけません。
ケリドウェンはグウィオン・バハにこの釜をかき混ぜる役目を与えました。そしてその薬が完成したとき釜から薬が跳ねてグウィオン・バハの腕にかかってしまったのです。
さて、知恵と霊感を得たグウィオン・バハはケリドウェンの元から逃げ出します。それを追うのは怒り狂ったケリドウェンです。
長い逃亡劇の後に一粒の麦に姿を変えたグウィオン・バハはケリドウェンに食べられてしまいます。

その後ケリドウェンは子供を授かります。実はその子供とはグウィオン・バハの生まれ変わりだったのです。
憎い相手とはいえお腹を痛めて産んだ子です。ケリドウェンは皮袋にいれて海に流してしまうのでした。

その子供はやがて海を渡りエルウィンという人物に拾われ大事に育てられます。その子供は「タリエシン」と名付けられました。

これが神話に綴られているタリエシンの出生です。タリエシンとは実在の人物なのでしょうか。それとも神の子供なのでしょうか。

タリエシンとは実在の人物なのか架空の人物なのか

ブリテン王達を魅了した歌声を盲持つタリエシン。しかし女神の子供として綴られているタリエシン。
彼は実在の人物なのでしょうか。それとも架空の人物なのでしょうか。
記録がある以上は実在の人物なのでしょうが実は彼は歴史の流れの中で姿を消してしまいます。タリエシンの生涯は記録上は幕を降ろせていないのです。

もしかすると今そこであなたを魅了するような歌を歌っている人物は女神の子供であるタリエシンかもしれませんね。

それでは今夜はこのあたりで。

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