「辰」水や川の神様である「龍」は神様の使いでもある特別な存在

「龍」の存在は日本と中国では少し違いがあるようです

まず「龍」という漢字は「竜」の旧字体です。どちらの漢字もよく見かけるものだと思います。
「画竜点睛」「竜巻」「龍門」他にも以前紹介した「竜穴」や「竜血樹」もそうですね。
これまで龍にまつわるお話を何度かしてきましたが踏み込んでお話しすることがなかったので今回は龍についてお話ししようと思います。

始めに龍とドラゴンの違いについてお話していきます。よく東洋での龍と西洋のドラゴンは混同されがちですがドラゴンは怪物に近い存在です。龍は怪物ではなく霊獣や神という立ち位置にあります。

そして同じ東洋でも日本と中国では龍の存在に少し違いがあるのです。

中国では龍は神獣や霊獣として考えられています。水の中や地中に棲み天空を自在に翔びまわります。
その声は嵐を呼び雷を起こし雨を降らします。そして天空に昇る際には竜巻を引き起こすのです。
長い髭をたくわえ宝珠を持った姿で描かれさらに喉には一枚だけ逆さになった鱗があります。俗に言う「龍の逆鱗」のことです。「逆鱗にふれる」という言葉があるくらいですから触られると痛いのかもしれませんね。

そして日本においては龍は神様として崇められています。主に水の神様や山の神様として祀られていることが多いです。
日本神話に登場するヤマタノオロチ(八岐大蛇、八俣遠呂智)も龍の類いで元は水神もしくは山神だったとされています。

神話の中で迦具土神(かぐつちのかみ)から生まれたとされる谷を司る闇龗神(くらおかみのかみ)と山を司る高龗神(たかおかみのかみ)という神様がいます。
この二神は同一とも二神で一対とも言われていますがこの神様もまた龍の姿をしているとされています。この「龗(おかみ)」という漢字は龍の古語でありその事から二神は龍の姿だと考えられているのです。

箱根や戸隠、越前などの日本各地に残る九頭竜伝承もまた九頭一尾の龍のお話です。

中国と日本での龍の違いをざっとお話しさせて頂いた訳ですが次は日本における龍について詳しくお話していきましょう。

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神様と神使の両方の顔を持つ龍

日本には眷属という言葉があります。一族や血族という意味もありますがほとんど場合が「神の使い」や「付き従うもの」という意味で使われます。
例を挙げると大黒天の鼠や稲荷神の狐のことです。

今回お話しする龍は神様でありながらも神様の眷属つまり神使としての一面も持っています。

先程お話しした高龗神は止水湧水降雨を司る水神として日本各地に祀られています。
京都の貴船神社や品川の荏原神社にも御祭神として崇められています。
さらに越前つまり現在の福井県にある毛谷黒龍神社には高龗神と闇龗神の二神が祀られています。ちなみにこの地域に流れる九頭竜川はその昔に九頭一尾の龍が現れた事からその名が付けられたそうです。

そして上記の品川に建立された荏原神社には祭神としてだけではなく屋根の上に神使としての像が顔を覗かせています。

中国の風水は日本に入ってきてから日本風水として独自の進化を遂げてきました。日本風水の別名こそが「陰陽道」と呼ばれるものです。
そんな日本風水の中に「四神相応」という言葉があります。四神つまり北の玄武、東の青龍、南の朱雀、西の白虎の力が滞ることなくうまく合わさることで四神の中心に「黄龍」が現れるという話です。
黄龍は中心を守ると言われています。つまり四神相応の地にある都や街は四神と黄龍によって守られているのです。

かつては平安京も四神相応の地だったそうですが開発により朱雀の力を失ってしまったのだそうです。ですがまだ日本にも黄龍の現れる地はあるかもしれません。
もし龍を探してみようと思うのなら四神相応をヒントに探してみるのもいいかもしれません。

ただそこに現れる龍は神様ではなく霊獣としての龍なのはお忘れなく。


それでは今夜はこのあたりで。

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