黒い羽を持つカワトンボの仲間 羽黒(ハグロ)トンボ
新鮮で澄んだ空気に綺麗な川の流れ。渓流には街中では見ることのできない生き物がたくさんいます。綺麗な水域でしか見られることが出来ないと言われるトンボもその一つです。
カワトンボと呼ばれる種類のトンボがいます。羽の色は褐色だったり透明なものもいますが特徴的なのはその体です。
体はものすごく細く色は金属のような光沢のあるエメラルドグリーンをしています。玉虫のような色といったほうがわかりやすいでしょうか。
そしてそのカワトンボの仲間に羽の黒い羽黒(ハグロ)トンボと呼ばれる種類がいます。羽黒トンボの雄は黒い羽にカワトンボと同じようなエメラルドグリーンの体をしています。
対して雌は黒い羽に体も黒いため全身が黒で統一されています。
このカワトンボの種類の持つもうひとつの特徴としてその飛び方にあります。
トンボは主にその場に滞空するホバリングと滑空で空を飛びます。
対してカワトンボは蝶々のようにヒラヒラと飛びます。そして羽を休める際にも蝶々のように4枚の羽をたたむのも特徴の一つです。
黒いトンボは神様トンボ
黒い羽を持つ羽黒トンボは地域によっては神様トンボと呼ばれ神の使いだと言われています。
黒い蝶は神の使いという話もしましたがヒラヒラと舞う神秘的な飛びかたもまた神様トンボと呼ばれる由縁なのかもしれませんね。
またトンボはお盆の時期によく現れますがそのため死者の魂を運ぶ存在だという説もあります。
以前の記事でもお話ししたように黒という色にはどうしてもマイナスのイメージが根付きがちですが風水の世界では黒は格調高さを意味します。
そして黒は全ての光の反射率がゼロであらゆる光を吸収します。もしかすると黒は光だけでなく霊的なものも吸収しやすいのかもしれません。
トンボは勝ち虫とまで呼ばれる縁起の良いもの
黒いトンボはいろいろな民族の間でも縁起の良いものだと信じられています。
ですが黒いトンボに限らずトンボ自体が縁起の良い虫だと言われている地域も多いのです。
紹介したカワトンボは蝶々のようにヒラヒラと飛びますが他のトンボは先程話したようにホバリングと滑空を利用して飛行します。
つまりトンボは前向きにしか飛ばないのです。常に前向きというのがトンボの縁起の良さの由縁だそうです。
カワトンボと神様トンボ
トンボは綺麗な水域にしか現れないと話しましたが開発の進んでいく現在ではどんどんそういった場所も減ってきています。
夏至も過ぎてもうすぐ夏がやってきます。レジャーシーズンには山や渓流に行かれるかたもいると思います。
黒い羽を持つ神様トンボに出会えるかは分かりません。ですがカワトンボも見た目と飛び方ともにすごく綺麗です。無駄のないしなやかな体とそれに似合わない遊び心を感じる飛び方。これを機会に一度カワトンボを探しに出掛けるのも良いかもしれませんね。
それでは今夜はこのあたりで。