聞こえない音を聞き分けようマスキング現象

大きな音にかき消されてしまう音

この世界には音が溢れています。人の歩く音に風の音、動き続ける機械の音など身の回りには様々な音があります。

音とは物の振動が空気を伝わり人の鼓膜へと到達し脳が音として感じとるものです。

大きい音に小さい音、高い音と低い音。機械を使い出さない限りは全く同じ音はないと思っています。

音の大きさはdB(デシベル)と単位で表されますがこのdBが大きくなると音も大きくなります。静かな森のなかで約10dB、人間の会話で50dB、平均的なテレビの音量が60dBといったところでしょうか。

テレビの音量が大きくて話し声が聞こえないという経験はないでしょうか。大きな音によって小さな音がかき消されてしまう現象を「マスキング現象」と呼ぶのですが今日はこの現象のお話です。

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危険を知らせる音と危険を感じとる音

お盆が近づくにつれ寝ているときに目が覚めることが多くなります。ふいに音が聞こえるのです。彼らは闇に紛れてやってきます。そう「蚊」です。

蚊の羽音はとても耳障りです。この「プ~ン」というような高い音ですが蚊の羽音はなぜ耳障りなんでしょうか。

車のクラクションに踏み切りの警笛、機械の警告音など人に危険を知らせる音はどれも耳障りなものです。これらは人が耳障りに感じるように作られています。

でしたら「蚊の羽音」はどうでしょう。蚊は生きるために人の血を求めます。そんな蚊がわざわざ人が不快に感じる音を発して近付いてくる訳がありません。

きっと蚊の羽音が耳障りなのは人がその経験の中で「血を吸われる」という危険が近付いてくる音として認識するからなのでしょう。

聞こえる音と大事な音と「マスキング現象」

動物は音によりコミュニケーションを取りますが音は危険回避のためにも使われます。蝙蝠が超音波を発してその反射から障害物を回避するのもその一例です。

そして人は身の危険を感じると聴力が向上するそうです。音から危険を感じとるのではなく危険を回避するために音を感じとるのです。

肝試しをした経験はあるでしょうか。張りつめた空気の中で聞き取る音は普段は気にもとめないような音ばかりのはずです。

実際には木々の揺れる音や自分の息づかいなどの音も耳には入ってきているはずです。ですがそれらが聞こえないのはなぜなんでしょうか。

これは安全だと分かっている木々の揺れる音などの余分な音を無意識の中で消して自分が聞きたい異質な音だけを聞こうとしているからなのです。

これはなにも危険を感じた時だけではありません。人は集中する事で同じように聞きたい音だけを聞くことが出来るそうです。

逆を言えば何かに集中しているときには周りの微かな音は耳に入ってこないのです。

人はいろいろなものに興味を引かれます。ゲームや音楽などの趣味もそうです。そして没頭します。そんな時に聞き逃していませんか?もっと大事な微かな音を。

それでは今夜はこのあたりで。

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