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エロースにアモール愛という名を持つ神様

ギリシャ神話の中にはエロース(エロス)と呼ばれる神様がいます。

ローマ神話にもアモール(アモーレ)と呼ばれる神様がいます。

どちらも｢愛｣を意味する言葉ですが恵まれた愛ではなく辛く苦しい愛を意味します。そしてこれらの神様は同一視されていますがもう一つ名前があります。

その名前はクーピドーと言いますがこう言いかえたほうが馴染みが深いでしょう。

小さな羽と弓矢を持つ神様｢キューピッド｣の事です。男女の仲をとりもつ神様だと思われがちですがキューピッドは別の一面も持っています。

金の矢と鉛の矢二種類の矢の使い方

キューピッドのシンボルと言えば弓矢ですね。矢で射られるとたちまち恋に落ちてしまう話があります。

実はキューピッドは二種類の矢を持っています。金の矢と鉛の矢です。金の矢で射られたものは目の前にいる異性に強い愛情を抱きます。

そして鉛の矢で射られると恋愛に対して嫌悪感を抱くようになります。

キューピッドは子供の姿で描かれていますがやはり中身もまだ子供だったのでしょう。

二種類の矢の力を手に入れたキューピッドは面白がっていろいろな人たちに手当たり次第に金や鉛の矢を放ちます。

しかしちょっと度が過ぎたのでしょう。太陽神アポロンにしかられてしまいました。

これに怒ったキューピッドはアポロンに金の矢を打ち込みます。そして偶然アポロンの目の前にいたダプネーに鉛の矢を打ちました。

ダプネーに恋をしたアポロンと恋愛が嫌になったダプネーですがアポロンは愛情の激しさ故にダプネーを追い回します。

最後はダプネーが月桂樹に姿を変えてしまいアポロンの恋は終わってしまいました。

恋は盲目という言葉がありますがまさにそれを表したようなお話です。

人間界に一人の女性が現れます。古代ギリシャ語で蝶を意味するプシューケーという名のこの女性は絶世の美女と言われていました。

この話を聞きつけたキューピッドの母親はキューピッドにある事を命じました。

キューピッドの母親は言わずと知れた美の女神アフロディーテです。アフロディーテは美の女神としての威厳を保とうします。キューピッドへの指令とはプシューケーが二度と恋が出来ないように鉛の矢を打ち込むことでした。

キューピッドは夜皆が寝静まったころにプシューケーの寝室に忍び込みます。そして鉛の矢をつがえ弓を引き絞り狙いを定めます。

その時キューピッドの目に入ったのはプシューケーの寝顔です。その美しい寝顔に慌てしまい鉛の矢を外してしまいました。そして慌てたキューピッドはなんと持っていた金の矢で自分の足を傷付けてしまったのです。

キューピッドはプシューケーに恋をしました。しかし神様と人間の恋など許されません。そこでキューピッドはプシューケーを生け贄として奪うことで無理矢理同居生活を始めます。

ですが自分が神様だと知られるわけにはいかないキューピッドは常に暗闇でしかプシューケーと会いません。しかしついに顔を見られてしまいます。

ここでまたドラマが発生します。プシューケーがキューピッドに一目惚れしてしまいました。しかしキューピッドには母親アフロディーテがいます。簡単には二人の関係をゆるしてくれません。

しかし愛の力は偉大でした。プシューケーはアフロディーテが出す課題をこなし晴れてキューピッドと一緒になれることが出来たのです。

キューピッドの物語が長くなってしまいました。本当は錬金術の話もしたかったのですがまた次の機会にお話ししようと思います。

筆者も恋と言われるともう長い間してないように感じますが恋に臆病になっているかたはもしかすると鉛の矢でいつの間にか射られたのかもしれませんね。その鉛の矢を抜いて一歩前に進んでみるのも良いかもしれませんよ。

ですが恋は盲目という言葉もありますので理性も大切に。

それでは今夜はこのあたりで。