オオカミと人間の共同生活
現在犬をペットとして飼っている方は多数いると思いますが犬と人間の生活はいつから始まったのでしょう。
犬の祖先である古代オオカミは約1万5000年前に地球上に現れたと言われています。そしてそれから9000年後の今から6000年前に古代オオカミと人間の共同生活が始まったと言われているそうです。
今夜はこのオオカミの話を書いていこうと思います。
強さと優しさを持つ獣「狼」
オオカミと聞くと狂暴で怖いイメージを持つ人が多いと思いますが実はオオカミはあまり人を襲うことはありません。まれにオオカミに襲われた人の話を聞きますがそれは人が彼らのテリトリーに踏み込んだからでオオカミは自分から人を襲うようなことはないそうです。
それは今は絶滅したと言われるニホンオオカミも同じだったのではないでしょうか。農耕を生活の軸としていた日本では田畑を荒らす猿や鹿にイノシシなどの害獣を捕食するオオカミは益獣とされてきました。
オオカミを漢字で書くと「けものへん」に「良い」と書きます。この漢字もオオカミが益獣とされてきた表れなのかもしれません。
神の使い「眷属」であるオオカミ
日本の神社には様々な神様が祀られています。そしてその神様の言葉を伝える役割を持つ神の使いが眷属という名で同じ神社に祀られていることがあります。
眷属は主に動物の姿をしており蛇や龍だったり京都に鎮座する伏見稲荷のように狐の姿をしていることもあります。
姿をしていると書くと語弊がありそうですがその地域に益をもたらした動物を眷属として祀ることもあるようです。
埼玉県秩父市に鎮座する「三峯神社」という神社があるのですがここは眷属としてオオカミが祀られています。
オオカミは元々「大神」と書くと言われておりこの地を守ってくれていたそうです。そしてオオカミは「大口間神」と祀られるようになりました。
オオカミ様や山犬様など呼び名はいろいろありますが現在でも変わることなくその地を守ってくれているのでしょう。
場所は変わり静岡県浜松市天竜区。ネット上ではサイレントヒルやスカイドラゴン区など呼び名があるこの地にもオオカミを眷属とする神社があります。
「山住神社」というのですが昔この地で徳川初代将軍である徳川家康が山犬に命を助けられたという逸話が残っています。そしてこの山住神社には山犬様としてオオカミが祀られるようになりました。
今でも厄よけや猿よけとしてこの地の方々に慕われていることでしょう。
オオカミと人間から犬と人間へ
犬を飼っている方ならご存じだと思いますが犬はものすごく家族を大事にします。飼い主であるあなたのことも大事に思っていると思います。
他所から来るものに対しては非常に敏感で家族を守るために威嚇や攻撃をします。
これはきっと犬の祖先である古代オオカミから受け継いだ本能なのでしょう。そのような本能を持つからこそ人間との共同生活を可能にしてきたのかもしれません。
混同される方がいるかもしれませんが今回お話しした山犬と犬神は全くの別物です。犬神についてはまたお話ししようと思います。
ちなみに犬の話から始まったオオカミ信仰の話でしたが筆者は代々猫派ですのであしからず。
それでは今夜はこのあたりで。