「五里霧中」とはどんな状態なのか
やりたい事はたくさんあるのに何から手をつけて良いのか分からない。
やること全てが裏目に出て動き出せないでいる。
これらは誰しもとは言いませんが多くの方が陥ったことのある状態だと思います。
このように迷い悩んで動き出せない暗中模索の状態を「五里霧中」と言います。
この言葉は「後漢書」に出てくる張楷という人物が道術を使い周辺五里(約20km)四方に濃い霧を発生させて姿をくらませたことに由来しているそうです。
敵味方だけではなく自分の足元、自分の手足すらも見えない霧の中から抜け出すために五里の道を進むのは容易いことではありません。
きっと五里霧中はそんな心境を表す言葉なのでしょう。
「無我夢中」とはどんな状態なのか
将来のために一所懸命に勉強や練習をする。
好意を寄せる相手に振り向いて欲しくてひたむきになる。
あまりの空腹に目の前の食事を一心不乱に食べる。
これらもまた多くの方が経験したことのある事だと思います。
このように一つの事に我を忘れて熱中することを「無我夢中」と言います。
この無我夢中の由来は定かではないようですが無我という言葉は仏教用語で「自分の心にとらわれず自分を忘れる」という意味だそうです。
悟りを開くや無の境地という意味を持った言葉なんでしょうかね。
ともかくそこからの派生で自分を忘れる程夢中になるという意味で無我夢中という言葉が出来たのでしょう。
一つの事に固執し夢中になるのは霧の中にいるようなものなのかもしれない
「無我」…自分の心にとらわれず自分を忘れる。
そしてそんな状態のまま何かに夢中になる事はすごく集中できるでしょうし効率だってすごく上がるかもしれません。
ただ何かに夢中になりすぎると周りが見えなくなる。そんなときもあるでしょう。
ですがそれはすでに五里霧中の状態に陥っているかもしれません。
周りが見えないまま突き進めば何かに躓いたりどこかにぶつかったりするかもしれません。
一つの事に固執しすぎるといつか足元をすくわれるものです。
あなたは自分を忘れるのと一緒に大切な何かを忘れていませんか?
あなたの夢中が霧中になりませんように。
それでは今夜はこのあたりで。