「ギガス写本」悪魔の力で描かれたと言われる禁断の本

悪魔の聖書と呼ばれる巨大な写本「ギガス写本」を知っていますか

人は思考や出来事を後世へと残すためにいろいろな方法を用いてきました。

本という形もそのひとつです。そして現在にも数多くの本が残されています。ただ本は人から人へと渡るなかで書き写されていくつもの複製が作られます。
コピー機というものが存在する現代では文章や絵を書き写すことは非常に容易いことですが当初は全て手作業だったためにかなりの手間と時間が使われたのです。

そしてこのように書き写された本は「写本」と呼ばれます。ちなみに写本の元となった本は「原本」「正本」と呼ばれています。

さて今回はそんな写本の中でも中世期に作られた内でもっとも大きくその大きさ故に「巨大」という意味を持つ「ギガス(gigas)」の名が与えられた写本についてお話しすることにいたしましょう。

その写本の名前は字のごとく「ギガス写本」と呼ばれています。そしてその写本について奇妙な伝説が語り継がれているのです。

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ギガス写本にまつわる伝説と悪魔との契約

世界最大の写本とされるギガス写本ですが実はこの写本については不思議で不気味な伝説が今も語られています。

まずはその伝説についてお話しする前にギガス写本について簡単にお話しておきましょう。

ギガス写本は羊皮紙310枚で作られていて厚さは22センチもあり重さはなんと75キロにもなるそうです。

しかし当初は羊皮紙320枚綴りだったそうでさらに重い写本だったのだそうです。
なぜその10枚が破り取られたのかは今も謎とされています。

そして写本に記載されている年号が1229年となっていてこの年に写本が完成したのではないかと考えられています。

ギガス写本が作られたのはポドラジツェのベネディクト会修道院。当時の修道僧ヘルマンが製作したとされています。
そして実はその製作についてこそ奇妙な伝説が残されているのです。

誓いというものは大事なものです。当時ベネディクト会修道院にいた修道僧ヘルマンは修道僧としての誓いを破り監禁されました。

この刑罰に対してヘルマンは「全ての人類の知識」を写本することを誓いました。それも一晩でです。

そして真夜中が過ぎ日を跨ぐとヘルマンは自らの手で写本することを諦めて堕天使ルシファーに救いを求めます。
彼はなんと自分の魂と引き換えに写本を完成させてほしいと願ったのです。

そしてギガス写本は無事一晩で完成しました。ヘルマンはその感謝の証しとして写本に悪魔の絵を描いたのだそうです。

こうして「悪魔の聖書」と呼ばれるギガス写本は完成しました。
しかし実際に同じ大きさ、同じ手法で写本を作ろうと思うと実際には20年以上もかかると言われているのです。

これがギガス写本について語られる伝説です。とはいえこれは後世になってから生まれた伝説ではなく写本が完成した当時から語られていたお話なのだそうです。

誓いを破った償いのために立てた誓いのために悪魔に魂を売り渡した修道僧。

約束を破った償いのために交わした約束のために道を踏み外す。

あなたにもそんな場面が訪れるかもしれません。その時あなたは自分の力で成し遂げるのでしょうか。それとも自分以外の力に頼るのでしょうか。

その時はいつ誰に起こるか分かりません。だからただ祈りましょう。
もしあなたが助けを求めるのならそれが悪魔でないことを。

それでは今夜はこのあたりで。

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