「タナトス」死を司る神
生ける物全てに訪れると言っても過言ではないもの。それが「死」です。
ギリシャ神話にはこの死を神として崇めることにより生まれた神がいます。
それが「タナトス」です。
タナトスは夜の女神ニュクスの息子で後で紹介するヒュプノスの兄にあたります。
背中には翼を持ち鉄の心臓を持っていると言われています。
その心は青銅で出来ているとされていて大変非情な神様です。
死を迎えるものの元に行き魂を奪います。簡単に言うなら死神のような感じでしょうか。
そしてその魂を冥界へと運ぶのがタナトスの役目です。
この神の名前「タナトス」は心理学の世界でも使われていて攻撃本能や破壊衝動のこと指す言葉でもあります。
「ヒュプノス」眠りを司る神
ほとんどの生物に訪れる休息の時それが「眠り」です。
ギリシャ神話にはタナトス同様に眠りを崇めて作られた神様がいます。
それが「ヒュプノス」です。
夜の女神ニュクスの息子でタナトスの弟にあたる存在です。
翼を持った青年の姿をしていて人間の額に角から液体を垂らしたり人の額に木の枝で触れたりして人を眠らせます。
ヒュプノスは兄のタナトスのように非情ではなく心の優しい穏やかな性格をしているそうです。
眠りはどこか柔らかいイメージがありますがこれもヒュプノスの性格が影響しているのでしょう。
彼は地中の奥深くにあるタルタロスという場所に館を構えてタナトスと共に暮らしています。
そして母である夜の女神ニュクスが西方の館から飛び立つと彼も後に続きます。そして人々に眠りを与えて回るのです。
ニュクスの息子「タナトス」と「ヒュプノス」
夜の女神であるニュクスの息子達である死の神タナトスと眠りの神ヒュプノス。
夜は毎日やってきます。ですが死と眠りは夜がやってこなくてもやってきます。
死はヒュプノスが与える最後の眠りだとも言われているのですが実は死と眠りは似て非なるものなのかもしれません。
ですが今夜あなたに訪れる眠りは心優しいヒュプノスが与えてくれるもののはずです。
今夜も良い眠りと良い夢を。またいつか夢についてお話いたしましょう。
それではこのあたりで。