ニュートンとリンゴの実
毎日の日課である家事をこなすのは仕事に就いている身としては大変なものです。
今日も仕事を終えて台所に立って皿を洗っていた。さすがの連勤で疲れていたのかうっかり手を滑らせ皿を落としてしまった。当然皿は床に落ちて割れてしまった。
そう物は通常地球の重力によって下に向かって落ちていきます。
有名な話ですがアイザック・ニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て万有引力を発見したと言われています。でもよく勘違いされるのはニュートンが重力を発見したと思われていることです。
重力自体はそれより前にガリレオ・ガリレイ達によって提唱されていました。
ニュートンが発見したのは地球だけではなく他の星にも引力があるのではないかと言うことです。
ニュートンとリンゴの実の話はよく聞きますが決して重力を発見したのではないのです。
リンゴがつなぐオカルトから科学への変化
ガリレオやニュートンが活躍した啓蒙活動が行われるずっと前のヨーロッパでは不可思議な事や奇怪な事件が起こると魔女や悪魔の仕業だとされていました。
民衆は皆今で言うオカルトを信じていたのです。
物が落ちることですらそこには四大元素が関係しているとされていました。
四大元素とは世界を作る四つの元素で「火」「水」「風」「土」のことで物はこの四つの元素でなりたっているとされていました。
例えば小石は「土」の元素で出来ていて小石を地面から持ち上げると土は土に還ろうと下に向かうというものです。
物があるべき場所に還るために物が下に落ちるのだと言われていたのです。
ですがそのような社会にも啓蒙活動の波はやってきます。
そして啓蒙活動により民衆に科学などの知識が広まるなかでオカルトは次第に息を潜めるようになったのです。
ですが古い記述には現代の科学でも答えの出ない現象が書き記されていました。
浮かんだリンゴは誰の仕業なのか
ニュートンが万有引力を発見したときよりもヨーロッパで啓蒙活動が始まったときよりもずっと昔の話です。
1585年のこと。フランス東部にアヌシーという街がありました。
その街にある橋に宙に浮かぶリンゴが現れたのです。そのリンゴは音を発しながら浮き続け何時間も街の人達を不安と恐怖に陥れました。
なぜならその時代は不可解な事が起こると魔女や悪魔の所業だとされていたからです。
ですがついにその緊張と恐怖が終わるときがやって来ました。一人の男性が棒でリンゴをはたき落としたのです。
一体だれが何のためにこんなことをしたのでしょう?そしてだれならこんなことをするのが可能なのでしょう。
当時は公式に魔女の仕業だとされました。魔女がだれかにリンゴを食べさせようとしたのだとしたのです。
魔女とリンゴと聞くと童話「白雪姫」を思い出しますが白雪姫に差し出したのは毒リンゴです。アヌシーで浮いていたリンゴは一体何リンゴだったのかは今はもう分かりません。
ですが創世記でアダムとイブが口に禁断の果実はリンゴだとも言われています。
禁断の果実は善悪の知識の実です。今まで持ち合わせていなかった知識を得ることのできるものです。
もしかするとアヌシーに浮いていたリンゴは口にすれば今まで人が知ることのなかった何かを知ることになったのかもしれませんね。
それでは今夜はこのあたりで。