「コモドドラゴン」その竜の血は治癒の力を秘めている

竜の血が持つ治癒の力を手に入れよう

人は古来より神秘的なものに引かれてきました。
人知では計り知れない力に魅了され追い求めてきたのです。

今回お話しする「竜の血」もその一つです。
竜の血を浴びると傷が癒える、竜の血を口にすれば不死身になるという話を聞いたことがあるでしょうか。
これらはいずれもファンタジーの世界のだけの話だと思っていませんか。

実は現実に竜血(りゅうけつ)と呼ばれるものが存在します。過去形ではありません。現在も存在するものなのです。

古代ローマではその竜血は止血や鎮痛のために使われていました。ただそれはそれは本当の血液ではありません。

リュウゼツラン科ドラセナ属の日本名「竜血樹(りゅうけつじゅ)」と呼ばれる植物の樹液なのです。
竜血樹の表面を傷付けると樹液が染み出してきます。その樹液は赤くまるで血のようなのです。
そしてその樹液を乾燥させたものが「竜血」と言われるものです。

別名「赤い金」と言われギリシャやインドなどの貿易で高値で取り引きされていました。
中国でも麒麟竭(きりんけつ)、血竭(けっけつ)と呼ばれ貴重な漢方薬としても扱われていたそうです。

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コモドドラゴンの血が持つ治癒の力

ドラゴンという言葉を聞くとかなりの人があの動物を思い浮かべるのではないでしょうか。
インドネシアのコモド島に生息する爬虫類コモドドラゴンです。

体はトカゲとしては非常に大きく3メートルを越える個体も存在します。
鋸のような歯に鋭い爪、そして何キロも先の匂いをかぎ分ける優れた嗅覚。一説によれば大型の獲物を食べるために体を大きく進化させたそうです。まさに捕食のために進化した爬虫類です。


そして何より脅威なのはコモドドラゴンの持つ毒です。
かねては口腔内に住む腐敗菌により敗血症を起こすと考えられてきましたが近年の研究によりコモドドラゴンはヘモトキシンという毒を持っていることが分かりました。
ヘモトキシンは血液の凝固を妨げるタイプの毒です。蛇にも同じ作用の毒を持つ種類がいますね。

コモドドラゴンも蛇と同じように歯から毒を注入しますが蛇と違い歯の強度を保ったまま進化したのも特徴です。

さて、実は最近コモドドラゴンの血液にある効果が発見されました。
それは強い抗菌作用ともうひとつ。傷を癒す力です。

細菌というのは常に進化しています。細菌を退治する抗生物質を使うとその内の何パーセントかは抗生物質に耐性を持ちます。
そしてその耐性を持った細菌に新たな抗生物質を使うとまた何パーセントかの細菌はその抗生物質に耐性を持つのです。
これを繰り返すうちにどんな薬も効かない細菌が生まれてしまうのです。

黄色ブドウ球菌もそんな細菌のひとつです。
コモドドラゴンの血液はそんな黄色ブドウ球菌の活動を抑えるだけではなくバイオフィルムと呼ばれる細菌の持つバリアーのような膜をも破壊してしまったそうです。

さらにこのような菌に感染した傷口に血液を塗ると治癒のスピードが早まったそうです。

まだコモドドラゴンの血液に関しては研究段階です。しかしいつの日か本当の「竜の血」を目にする時が来るのかもしれません。

もしあなたの目の前に「不死身になることが出来る竜の血」があったとしたら貴方は本当に口にするのでしょうか。

竜の血…それは人が手にしてはいけないものなのかもしれません。

それでは今夜はこのあたりで。

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