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人の五感とそれを記憶する脳の関係
心霊スポットに行った際にあなただけが何も見なかったという経験は…
すいません。この話は少し置いておいて別の話を進めましょう。
凄惨な光景や小言など世の中には見たくないものや聞きたくないものはたくさんあることでしょう。そういったことからは耳を塞ぎ目を閉じれば済むことです。
しかし時には目を閉じることも耳を塞ぐことも出来ないときがあるものです。
嫌な思い出は誰にでもあるものでしょう。そして悪い思い出というのは良い思い出よりも鮮明に記憶に残ると言われています。
そんな思い出が記憶されているのが脳です。見たことに聞いたことだけでなく触った感触や嗅いだ匂いもこの脳に記憶されています。
よく「記憶にない」という言葉を聞きますがあなたがその出来事を五感のいずれかを使い感じたことならあなたの意思とは関係なく脳は全て記憶しているのです。
しかしその記憶を引き出してくるのは大変です。印象が薄かったりあなたが必要ないとした思い出はその記憶の海の奥深くに沈められてしまうからです。
その記憶を浮かび上がらせる方法もあるのですが今回の趣旨とは外れるのでその話はまた今度にしておきましょう。
記憶にはいくつか種類というより階層があります。それは長期記憶、短期記憶それに感覚記憶と呼ばれるものです。あまりうまく説明出来ないかもしれませんが簡単に説明していきます。
まず人は周りから影響を受けそれを五感で感じ取ると一瞬だけ記憶します。これが感覚記憶です。歩いている時の周りを流れる空気の音やこの画面を見ているときの光などです。
そして感覚記憶の中から注意を引かれる情報を見付けると記憶を次の階層に進めます。それが短期記憶と呼ばれるもので記憶時間は数秒から数十秒ほどだと言われています。
しかしそれは維持リハーサルと言われる刺激ない場合です。
先程書いた空気の流れる音と画面の光という文字を読んだことであなたにとって空気の流れる音と画面の光は短期記憶に階層を進めました。
そしてさらにこの文が維持リハーサルとなり画面の光と空気の音は長期記憶となったのです。
それでは話を冒頭に戻しましょう。人には見たくないものや聞きたくないものは必ずあるでしょう。しかし目を閉じることも耳を塞ぐことも出来ないときどうするのかということです。
それはすごく簡単なことです。記憶を消してしまえばいいのです。
脳は五感を隠し人を騙す事がある
人は五感を使い周りの状況を感じ取りそれを記憶します。
まず感じ取ったものを感覚記憶として記憶します。そしてその中で意識の向いたものを短期記憶としてさらに継続して意識を向けることで長期記憶として脳に記憶しているのです。
こんな話を聞いたことがないでしょうか。
「脳が覚えている傷痕は消えない」
これは人が傷痕を見てその時の傷みや感情を思い出すことでそれが維持リハーサルとなりその傷自体が長期記憶における一つのパーツとして脳が記憶するからだということです。
少し話がずれてしまいましたが先程本当に見たくないものや聞きたくないものに触れた時には記憶を消してしまえば良いと言いました。
正確に言うなら感覚記憶にとどめて短期記憶にしなければ良いのです。ですが人は五感を使い感覚記憶により常に記憶を繰り返しています。ですが感覚記憶から階層を上げなければ記憶はすぐに消えてしまうのです。ただこれは非常に難しいことです。なかなか実践することはできないでしょう。
ですが人の体とは不思議なものです。そこにあるものを心の底から拒否したときには五感を使いながらも五感を麻痺させる能力が、いえ脳力があるそうです。
視覚や聴覚に触覚などは実際に感じ取っていても脳が拒否した不必要な情報を取り除いてしまうのです。
心霊スポットに行ったことはあるでしょうか。
何人かで行ったにも関わらず一緒に行ったあなた以外の人達はみんな幽霊を見たり不気味な声を聞きました。
あなたは霊感など全くなく自分が見たことや聞いたこと以外は信じません。
しかしあなたは本当に見ていなかったのでしょうか。何も聞かなかったのでしょうか。
もしかして本当は見えていたのではないでしょうか。聞こえていたのではないでしょうか。
もしかしてあなたの脳が恐怖により記憶を消してしまったのかもしれません。
あなたはもう覚えていないかもしれませんが答えはあなたの消えた記憶の中にあるのです。
脳により消された記憶を呼び覚ます方法。それについてはまたいずれお話することに致しましょう。
それでは今夜はこのあたりで。