ありえない場所に人の顔が見えるシミュラクラ現象

自分の目が自分を騙す見えないはずの人の顔

「今日も疲れた…」

電車を降り一人帰り道を歩いていた。いつもと変わらない光景に飽きてしまったのでたまには違う道を通って帰ろうと思い立つ。見慣れない路地を抜けしばらく歩くと公園があった。昼間にはたくさんの家族連れがあそんでいるのだろう。でも今は日も沈み公園には人っ子一人いない。せっかくなので公園内を少し歩いてみることにした。

歩いてみて分かったがとても広い公園だ。いろいろな施設もあるようでボルダリング用のクライムウォールが目に入った。色とりどりの突起が散りばめられたその壁に目をやるとその視線は釘付けになった。

壁の中央に人の顔があるのだ。高さ5メートルほどのところに顔だけが浮かんでいる。あり得ない状況から視線を外すことすら出来ず時間だけが過ぎていった。

これが「シュミラクラ現象」とよばれるものです。話が長くなりましたが何かが人の顔に見えることを指す言葉です。では一体何が人の顔に見えるのかお話していきましょう。

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脳が起こす錯覚シミュラクラ現象

何かが人の顔に見える「シュミラクラ現象」ですが一体何が人の顔に見えたのでしょう。シュミラクラ現状は日本語で「類像現象」と呼びます。漢字から分かるように人の目は似たような形状のものを同一のものだと錯覚しやすいものです。つまり人の顔の作りによく似たものを人の顔だと錯覚しやすいのです。

ボルダリングのクライムウォールはホールドと呼ばれる赤や黄色の突起が無数に並んでいます。離れた場所から見れば色とりどりの点が散らばっているように見えます。その点の中である色だけ抜き出してみるとといろいろな形に結ぶことが出来るのです。もちろん逆三角形の形も出来上がります。

逆三角形に並んだ点や丸は人の顔のように錯覚してしまいます。例えば「∵」この記号もそうです。どうですなんとなく顔に見えるでしょう。これが「シュミラクラ現象」の正体なのです。

この現象を逆に利用したものがあります。メールなどで使われている記号や数字を組み合わせて人の顔を作り出しているもの。そう、顔文字ですね。あれもシュミラクラ現象の応用なのです。

あなたの見たものは本当に錯覚なのだろうか

「シュミラクラ現象」は様々な所に存在します。逆三角形の並びなど無数にあるでしょう。そしてこの世にはたくさんの人が居ます。人の数だけ顔があります。よく思い出してみてください。あなたが生活している中であり得ない場所に人の顔を見たことがりませんか?それはきっと「シュミラクラ現象」でしょう。

その時の光景をよく思い返せば浮かんでくるはずです。あなたに人の顔を錯覚させた顔の向う側にある逆三角形を。もしどうやっても逆三角形が浮かんでこないのならそれはきっと人の顔だったのでしょう。それがあり得ない場所に見えたのならそれはきっと・・・

それでは今日はこのあたりで。

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