「アメンボ」が水面に浮いていられるのは表面張力のおかげ

忍者のように水面を進むアメンボと表面張力

雨が降ると水溜まりが出来ます。そしてその水溜まりの水面を滑るように進む生物がいます。
それがアメンボです。アメンボは漢字では飴棒と書きます。体にある臭腺から飴のような甘い匂いを出すことと体が細く棒のようであることからこう名付けられました。

もちろん最大の特徴は水に沈むことなく水面を移動出来る事です。そのため跳馬(ちょうま)、水馬(すいば)、水蜘蛛(みずぐも)などの別名を持っています。

忍者が水蜘蛛と呼ばれる道具を使い水面を進む姿を重ねてアメンボに水蜘蛛の別名を付けたのでしょうか。
もしかするとアメンボの姿から忍者がひらめいてその道具に水蜘蛛の名前を付けたのしれません。
しかし近年では忍者の水蜘蛛は足に履いて使うのではなく浮き輪のように使ったていたのではという説もあるようです。

忍者と言えば葦を植えて....


話がそれてしまいそうになりましたがアメンボのお話でしたね。
自分の持つ力だけで水面を進む事の出来る生物は数少ないです。
例えばカエルや魚も水面を進みますがあれはあくまで体内の浮力を変えて水面近くを泳いでいると言った方が正しいでしょう。

アメンボと近い意味で水面を進むということでは爬虫類のバシリスクがいます。バシリスクは泳ぎも得意ですが体が沈むよりも早く足を前に出すことで水面を走ることが出来ます。ちなみにバシリスクとバジリスクは全くの別物でバジリスクは怪物です。

改めてアメンボに話を戻しましょう。彼らが水に沈まずにいられるのは足の先端にある細かい毛とその毛に付いている油のおかげです。

その油が水をはじくために水に沈むことなくいられるのです。
つまりアメンボが使っているのは浮力ではなく「表面張力」と呼ばれる力なのです。
ただその表面張力で浮いていると言うのも完全には解明されていないという話も聞きますが。

それでは今回はこの表面張力についてお話しすることにしましょう。

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表面張力と溢れ出す人の感情

「表面張力」という言葉はよく聞きますが実際どういった力なのでしょうか。

表面張力と聞いてグラスになみなみと注がれた水がグラスの縁を越えて盛り上がっている様を想像する方も多いでしょう。
あれも表面張力という力があるからこそ起こる現象なのです。

表面張力を一言で言うなら「表面を出来るだけ小さくしようとする力」のことです。
水を例にお話ししていきましょう。グラスに水が注がれています。

この時水が空気と触れあっている面を界面と呼びます。
界面以外の部分では水の分子は全方向の分子と分子間エネルギーによって引き合っています。
しかし空気と水では分子間エネルギーにより引き合うことはありません。つまり界面である水面では表面の分子は水中及び表面の分子同士で引き合う形になるのです。
この力によりより表面を小さくしてまとまろうとします。
これが表面張力と呼ばれる力なのです。

そういえば時に人の心は水に関する事柄に例えられる事があります。
犬猿の仲や息の合わない間柄には「水と油」という表現が使われます。
そして寛大な人を「器が大きい」などとも言いますね。

人の心はグラスに注がれた水とおなじなのかもしれません。感情が高ぶればグラスの水は増えていきます。そしていずれグラスの縁へとたどり着きやがて止まらない高ぶりは感情を溢れさせます。

ですが縁にたどり着き溢れ出すその刹那に表面張力が働いたならどうでしょう。
溢れて流れ出すのを止めてくれる力です。その力が働いている間に静かな気持ちを取り戻せたなら溢れることを防ぐことが出来るでしょう。

さて、あなたにとっての心の表面張力は一体なんなのでしょう。
プライドそれとも羞恥心でしょうか。もしかすると愛する人の笑顔だったりもするかもしれません。

ですが人が人と会話をするために使うのは言葉だけではありません。溢れた感情が言葉以上に何かを伝えてくれることもあるのではないでしょうか。

時にはあなたの心の界面を小さくしようとする表面張力を解いてみるのも良いのかもしれませんね。


それでは今夜はこのあたりで。

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