「猫又(ねこまた)」猫の怪異と猫目と習性

「猫又(ねこまた)」猫の怪異と怪猫

よく道路に寝転がり日向ぼっこをしているイメージがある猫ですがさすがに夏の焼けたアスファルトの上に寝転がっている姿は見かけませんね。
どこか日陰に入って涼んでいるのでしょう。
何気なく寝転がってる猫の姿が思い浮かんだだけなのでそこから話が広がる訳でもありません。そろそろ本題に入りましょうか。

今回お話しするのは猫の怪異である「猫又、猫股(ねこまた)」についてです。
みなさんも何度か耳にしたことはあるのではないでしょうか。尾が二本に分かれた姿で描かれることが多いあの妖怪です。
安永の時代に鳥山石燕によって刊行された「画図百鬼夜行」の前篇陰にもこの姿が描かれています。

ただ妖怪といってもあなたのなかに根付いた猫の可愛らしさが邪魔をしてどんなことをする妖怪なのか想像できないのではないですか?

今回はその猫又と猫のちょっとした習性についてお話ししましょう。

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怪猫と飼い猫と猫の習性

猫の怪異「猫又」には実は二種類います。一つは元々山に住み着いている猫又でもう一つが人と住んでいた猫が化けて猫又になったものです。
一般的に描写されている猫又は後者の人家の猫が化けた方ですね。

元々山に住み着いている猫又は主に怪猫と呼ばれることが多く残っている伝承ではほとんどの場合で人を襲い食い殺しています。
そして共通するのはその体の大きさです。猫とは思えないほどの大きさで大きいものではライオンほどもあったのではないかと言われています。
「宿直草」と呼ばれる書物には自分の母親に化けた猫又と戦う狩人の話が載っていますがここに描かれているのは元々山中に住んでいた猫又の姿です。猫又が住み着いていた山は全国にあり猫又の名が付いた山も存在します。
そしてもうひとつ人の家に住んでいた猫が化けて猫又になったものです。
猫の体の特徴といえばどこでしょうか。一番特徴的な部分は目だと思います。特に明るい場所にいる猫の目は一見蛇の目に見えることもあります。
そして猫はやはり本能から死臭をかぎ分け遺体に近付く習性があります。このような習性と特徴から猫は可愛がられながらもどこか不気味がられる存在だったのです。
そんな猫に関するある話が持ち上がりました。猫は長く飼っているとやがて尻尾が二つに分かれて妖怪になるというのです。

尻尾が二つに分かれるというのはかなり前に紹介した管狐の仲間オサキに似ていますね。
オサキの話はとりあえず置いておきますがその尻尾が二つに分かれた猫が猫又なのです。
ただ猫又は何をするの?と聞かれても特に悪さはしません。というより普通の猫と変わりません。
普通にご飯を食べて普通に寝て普通にじゃれるだけです。
ただ猫は嬉しい時やリラックスしているときにゆっくり尻尾を振りますが猫又のように尾が二本あるとゆっくり振ってもバタバタ振っているように見えてしまうかもしれませんね。

しかし山に住む猫又は元々は人の家に住んでいた猫又が山に住み着いたものだと言われています。
猫又を不気味に感じた家の人が追い出してしまった結果なのかもしれませんね。尻尾が二つに分かれてしまったとはいえ普通の猫なんですが。
ですがもし全ての猫が猫又になる素質を持っているとしたら全ての猫に何かしら不思議な力があるのでしょう。

実は猫は好きな人とは目を合わせないということを知っていますか?
猫は好きな人間にはわざと目を反らしたりゆっくり瞬きするのです。なぜ目をそらすのでしょうか。
それはもしかすると目の持つ力の影響が好きな人に及ばないための猫の配慮なのかもしれませんね。

それでは今日はこのあたりで。

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