「大黒天」五穀豊穣と財福の御利益をもたらす神様

大黒様で知られる「大黒天」とはどんな神様なのか

延命袋と呼ばれるものを御存知でしょうか。これは油揚げに根菜などを包んで煮た料理の事です。延命という名前は健康に良いものが入っているという意味なのでしょうか。
しかしこの延命袋には別の意味もあり福の神が持っている袋を指すこともあります。
そしてこの料理は宝袋煮という別名も持っています。

宝の入った袋と聞いて思わず風呂敷に包まれた小判を想像してしまいました。ですが金銀や瑠璃などの七種の宝いわゆる七宝(しっぽう)が入った袋を持つ言われる神様がいます。

それが七福神の一人「大黒様」の名称で親しまれる「大黒天」です。

大黒天の元となった神様はインドに居ます。ヒンドゥー教のシヴァ神の仮の姿であるマハーカーラという神様です。青銅色より黒い色の体をしていて常に怒りの表情をしています。
そんな容姿をしながら護法善神つまり良い神様として祀られています。

マハーは偉大という意味を持ち「大」で表されカーラは暗黒を意味し「黒」で表されるのです。
そして大黒天として日本に伝わったのが大黒様の始まりなのです。

日本に伝わってきた大黒天ですがいつしか日本古来の神様である大国主命(おおくにぬしのみこと)と同一視されるようになり習合されることになります。
これは大国が「だいこく」とも読めることから由縁だとされています。

その後次第に微笑みの表情で描かれることが多くなりやがて七福神の一柱としての「大黒様」の姿が出来上がったのです。
大黒様が祀られる場所は数多くあります。この神様は笑顔のイメージがあるなかで時折怒った表情をしているのはマハーカーラの名残なのでしょうね。

それではそんな大黒様には一体どんな御利益があるのでしょう。

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大黒天のもたらす御利益にはどんなものがあるのか

シヴァ神を前身としてやがて大国主命と習合されて生まれた大黒様は初めは「破壊」と「豊穣」を司る神様だとされていました。

しかし時代の流れと供に「破壊」という力は忘れられて「豊穣」の御利益をもたらす神様として崇められていました。

その後七福神となった大黒様は烏帽子に袴姿で米俵に乗り「打出の小槌」と「大きな袋」を携えた姿で描かれるようになりました。

この大きな袋が言わずと知れた「福袋」です。元は日本神話の大国主命が携えていた袋が由来なのですが現在ではこの袋には「七宝」の入っているとされています。

そして注目すべきは手に持つ「打出の小槌(うちでのこづち)」です。
「御伽草子」の「一寸法師」にも登場し一寸法師の体を大きくしたあの小槌のことですね。
この打出の小槌は鬼が持つものとされています。そして振ることによりどんな願いも叶え福を招くという夢のようなアイテムです。

米俵に福袋、そして打出の小槌。これら象徴に囲まれた大黒天の御利益は「五穀豊穣」「財福」「招福」とされています。

そんな縁起の良い大黒天を祀る場所で有名なのはやはり大阪府羽曳野市にある「大黒寺」でしょうか。 京都の伏見区にも同じ「大黒寺」が建立されていますが羽曳野市にある大黒寺は日本に初めて大黒天が現れたとされる霊場です。

大黒様の御利益を授かるのなら一度足を運んでみてはいかがでしょうか。


それでは今夜はこのあたりで。

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