雪の中に咲く花「水仙(スイセン)」
吐く息は白く空からはチラチラと雪が舞っている。今年も冬がやって来ました。
冬になると寒くて外に出る気がなくなりますがそれは動物達も同じです。冬眠に入る動物もいればコタツで丸くなる動物もいます。歌にあるようにはしゃぎ回るのかと思いきや小屋の奥でひっそりとしている動物もいます。
ですがそれは動物達だけではありません。自然界にある植物も同じです。草木は枯れて芽吹きの春を待っています。
ですが降り積もる雪の中に咲く可憐な花があります。白い雪の中に咲くその花の名は「水仙(すいせん)」と言います。そしてこの花は雪の中に咲く様子から「雪中花」とも呼ばれます。
今回はその可憐さには少々似つかわしくない花言葉を持つ水仙についてのお話です。
プレゼントには要注意「水仙の花言葉」
雪の中に咲く可愛らしい水仙の花にも花言葉は付けられています。その花言葉はプレゼントとして贈るには少々残酷かもしれません。
花に付けられる花言葉は一つではありません。大抵どの花にもいくつかの花言葉が付けられています。
水仙も例外ではなくいくつかの花言葉があります。
まずその一つ目は「気高さ」です。一面の銀世界に己の存在を示すように佇む姿がこの「気高さ」と花言葉を思わせたのかもしれません。
気高さという花言葉だけならばプレゼントとしては問題ないでしょう。問題なのは他の花言葉なのです。
その他の花言葉は「うぬぼれ」や「自己愛」といったプレゼントとしてはちょっと考えてしまうものです。
この花言葉の由来は一体どこからきているのでしょうか。
花言葉の由来とギリシャ神話
ギリシャ神話にはナルキッソスという青年が登場します。そして水仙の学名はナルキッソスといい水仙の花言葉はこのギリシャ神話の青年が関係しています。彼はどのような青年だったのでしょう。
ナルキッソスはかなりのイケメンでした。彼は数々の女性を虜にしながらも誰の好意に応えることもありませんでした。
その女性の中には女神アフロディーテも含まれているほど彼の虜になった女性は多かったのです。
しかしそんなナルキッソスもある日恋に落ちます。ですが相手は水面にうつったナルキッソス本人だったのです。
ナルキッソスは自分の姿から目が離せなくなりそのまま痩せ細りついには息絶えました。
その後その場所には水仙の花が咲いていたという話です。
実は彼はある占い師に「自分を知らないまま生きた方が長生きできる」と預言されていたのです。
水仙の持つ花言葉「自己愛」はいずれ身を滅ぼすということなのでしょうか。
ですが自分を愛せないのなら人は生きていけないと思います。そして自分を知らなければ新しい一歩は踏み出せないでしょう。
何事もほどほどにということを水仙は教えてくれているのかもしれません。可憐な水仙でも咲き誇ればそれは雪中花ではなくなってしまうのですから。
それでは今夜はこのあたりで。